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東京メトロポリタン税理士法人 北岡修一の「闘う財務」

キャッシュ・リッチな会社を目指そう!
会社は「現預金」を持っておかないといけない!!

決算書で黒字が出ていても会社が倒産することはあります。逆に赤字であっても手元にキャッシュがあれば倒産することはありません。資金繰りの上でも大切になるのは、手元にある現預金をできる限り増やすことです。

今月と来月の2回に分けて、会社の財務体質を強くするための「手元キャシュ」の増やし方を、お話ししていきます。

【本当にあった怖い話】

リーマンショックの1年前、ある不動産建設業A社の話です。
不動産建設業は、土地の仕入や建築のために仕込み資金が必要です。A社は業績も堅調であったため、銀行との関係も良好で、借入金もそれなりの残高を保っていました。

ある時、銀行から出向を受け入れてくれないかとの要請があり、経理部長クラスで来てもらうことになりました。A社は業績も順調で、ある程度の余裕資金もあったため、その経理部長はどんどん借入金を返していったとのこと。

そこにリーマンショックです...。

急激に物件が売れなくなり、資金繰りにつまってきます。借入金はほとんど返してしまったため余裕資金は少なく、あっという間に資金繰りが苦しくなってきました。

そこで改めて銀行に融資を申し込むと、リーマンショックに業績不振、見通しも立たない状況では、融資を受けることができません。出向者も来ているのに、A社社長は絶句です。
その内に、銀行からの出向者も銀行に戻ってしまい、そうなるとあとは倒産の道まっしぐらです。

A社は、リーマンショックから半年もたたずに民事再生を申請せざるを得なくなり、ついに黒字倒産です。

A社社長はあとで気づいたそうです。銀行からの出向者は、実は、貸しはがしに来たんだと...。

その後、その出向者および上司は、異例の出世をしていったそうです。銀行にしてみれば、不良債権になる前にすべてを回収できたわけですから、大手柄です。
まるで、半沢直樹の世界ですね(笑)。

この話はある勉強会で聞いた実際の話です。その後の、再生地獄の話を聞いて、身につまされる思いでした。取引先や信頼していた社員の変わりよう、信頼ではなくお金だけでつながっていたのか、世間とはこんなに冷たいものかと、痛感したそうです。やはりそんな状況には絶対にしてはいけないのです。

その後、ものすごい気力で復活できたからこそ話せる話、ですね。

【現預金を持つことの重要性】

やはり会社は、現預金を持っていなければいけません。現預金がなければ支払いができないからです。手形や支払いの繰り延べでしのげたとしても、やはり最後は、現預金で払うしかないのです。

現預金という現物がなければ生き延びていくことはできないのです。当たり前のことですが、これを軽く考えている人、社長が多いように思いますね。

特に会社が黒字の時は、社長も自信を持っていますから、調子に乗っていますから、何とかなると思ってしまうのです。どんどん強気で事業を拡大したり、先行投資をしていってしまいます。

これは本当に危険なのです。事業が拡大する時は投資資金がいります。仕入や在庫投資であったり、設備投資であったり、人材採用や人件費にお金がかかっていきます。さらには、売上が拡大すればするほど、売掛債権が増え、ますます資金繰りが悪化していきます。

だから黒字倒産というのが起こるのですね。決算書上は黒字だけれども、お金は在庫や売掛金、固定資産にいってしまっているのです。いくら決算書上で利益が出ても、その時に現預金がなければ倒産してしまうのです。いざという時に決算書の数字は関係ないのです。現預金があるか、ないかだけ、待ったなしです。

会社が順調であっても、何が起こるかわかりません。A社のようにリーマンショックであったり、大震災であったり、はたまた自社の商品の大クレーム、大口取引先の倒産や、取引停止、役員や社員の不祥事、事故・・・数え上げたらきりがありませんね。

こんなマサカの時に役に立つのは、やはり現預金、手元キャッシュです。
社長および経理ウーマンは、「最後は現預金」ということを常に頭に入れて、日次、月次の残高をシビアに見ていく必要があるのです。

【無借金経営を意識し過ぎない】

「無借金経営」というのは、経営者にとってはとても響きのよい言葉ですね。
是非、そうしたいと思っている経営者が多いかと思います。

借入金がなければどれだけ楽か。特に借入金返済の元金部分は、支払っても経費になりませんので、その分の税金を払いながら返済をしているのです。税引後利益から返済をしている、ということですね。

ですから余計、資金繰りは厳しく感じます。借入金を返済する分、毎月定期預金を積むことができたら、どれだけ会社の財務内容は良くなるでしょうか。借入金返済が終わったら、その分を定期預金に積んでいきたいと考えている経営者の方もいるのではないでしょうか。是非、そうして欲しいですね。

ただし、無借金経営にするのはそう簡単なことではありません。だからこそ、無借金経営を目標にしよう、という会社も出てくるのでしょう。それはそれでいいのですが、あまりにも無理して無借金経営にしようとするのは、問題があります。

先ほど例にあげたA社のように、会社にとって必要な現預金まで返済してしまう可能性があるからです。手元キャッシュは、ある一定の水準は絶対に必要なのです。

どの程度を持っていたらいいかは後述しますが、手元キャッシュを減らし過ぎると、会社は危険にさらされることになります。ちょっとしたことで、資金不足や支払い不能に陥りかねません。

自動引き落としが落ちないだけでも、信用不安に陥りかねないのです。ちなみに自動引き落としが落ちなかったのを軽く見がちですが、手形不渡りと本質的には変わらないのですよ。その位の厳しさがないといけません。

少し横道にそれましたが、無借金経営を目指すのは慎重にやってください、ということです。無借金経営は、時間をかけて将来そうなればいいな、という程度で目指せばよいのではないでしょうか?

無借金経営のもう1つの弊害は、チャンスの時に果敢に攻めない、攻められない体質になりやすい、ということです。事業発展のチャンスであれば、無借金経営にこだわることなく、借入金をしてでも勝負するということも必要なのです。

【慎重なキャッシュベースの経営】

さて、黒字の時は社長も自信を持ち、調子に乗りやすい、ということを書きました。手元キャッシュや資金繰りを無視した事業拡大に走ってしまうこともあります。こんな時こそ、資金繰りの状況を慎重に見ておく必要があります。

事業は前述したとおり、最後は現預金なのです。ですので、キャッシュをベースにした経営を心がけなければなりません。

キャッシュベースの経営とは、キャッシュの動きに注目した経営です。売上が上がった、利益が出ただけではダメで、その結果、キャッシュはどうなるのか、ということに常に注目して経営することです。

通常は売上や仕入・経費の発生と、キャッシュの動きは一致しませんね。特に昨今の様々な取引形態の中では。これがずれるので、経営が難しくなるのです。

キャッシュの動きに注目したキャッシュベースの経営をしていくためには、できるだけ、損益の動きとキャッシュの動きを一致させていくことです。
たとえば、売上と入金をできるだけ近づけていく、ということです。あるいは仕入れたらすぐ売る、すぐ売らない分は仕入ない、ということです。

経営者の皆様は、是非、このような観点から企業活動を行って欲しいですね。キャッシュベースに近づくにはどうしたらいいかをトコトン考え、様々な工夫や交渉をしていくことです。創意工夫と普段の地道な努力しかありません。

【現預金はどれくらい持てばいいのか】

では、企業はどのくらいの手元キャッシュを持っておけばよいのでしょうか?その前に、経営者は会社のお金の流れを知っておく必要があります。

自社のキャッシュフローの構造です。毎月の中でどのようにお金が動いているのか、いつ頃お金が不足気味になるのか、その時の手元キャッシュの残高はいくらくらいになるのか、それを大まかにでもつかんでおくことです。

さて、企業はどのくらいの手元キャッシュを持てばいいかですが、売上の2カ月分から3カ月分を持っていて欲しいです。

月の中で最も残高が少なくなる時(給与や定時払い後など)でも、1カ月分は持っていて欲しいですね。多目に持っていれば持っているほど安心ですし、マサカの時でも倒産する確率が低くなります。

この指標のことを、現預金月商比率とか、手元流動性と言います。キャッシュ・ポジションなどと言うこともありますね。「これからの不況に備えるためキャッシュ・ポジションを高めておく」、などと言ったりします。計算式は図表のとおりです。

現預金月商比率(手元流動性)

手元キャッシュを増やし、この現預金月商比率を高めるためにはどうしたらよいのかは、来月、具体的にお話ししていきたいと思います。

東京メトロポリタン税理士法人
代表社員/税理士 北岡 修一

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