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実践!相続税対策

住宅取得資金贈与の注意点【実践!相続税対策】第427号

住宅取得資金贈与の注意点【実践!相続税対策】第427号

2020.02.26

皆様、おはようございます。税理士の北岡修一です。

確定申告真っ盛りの時期ですね。
皆さまの申告は、もう終わりましたでしょうか?

相続対策を行っている方などは、所得税の他、贈与税の申告、特例などを使う方もいるかと思いますが、是非、早目に申告することをお勧めします。

特例を使う場合などは、要件を満たしているかどうか、十分注意しておかなければいけません。

特に、昨今よく使われているのが、住宅取得資金贈与の非課税です。

昨年4月からは、消費税率10%で契約した住宅については、非課税枠が最高3,000万円と、大幅にアップしていますので、なおさら注意が必要です。

非課税金額が多くなってくると、間違いが多くなるのが、対象面積です。

資金が多くなれば、2世帯住宅など大きな住宅を建てることもできるからです。

この非課税の対象となる住宅は、床面積が50m2以上、240m2以下のものです。

この面積は、自分が住んでいる部分だけではありません。
建物全体の面積となります。

2世帯や賃貸併用住宅などを立てた場合は、建物全体で判断します。

そうなると、240m2を超えてしまっていることもありますので要注意です。

ただし、区分所有などの場合は、その専有面積によります。

また、購入資金の出し方にも注意が必要です。

住宅取得資金贈与が非課税になるのは、あくまで、親や祖父母から贈与てもらった資金で、住宅を購入した場合です。

したがって、自分のお金で住宅を取得した後に、その資金について贈与を受けた場合は、対象にはなりません。

つなぎ融資の返済資金を、贈与してもらった場合なども同様です。

賃貸併用住宅の場合は、自分の居住する部分が1/2以上であることも、非課税の要件となっています。

1/2以上を賃貸してしまうと、非課税の特例が受けられませんので、これも要注意です。

さらに、所得にも制限がかかっています。

この非課税特例を受けられるのは、その年の合計所得金額が、2,000万円以下の方です。

この合計所得金額は、給与所得だけでなく、不動産所得や、譲渡所得なども入ります。

その年に不動産の譲渡があった場合や、株式の譲渡所得で申告するものがある場合は、これらの所得金額も含まれますので、注意してください。

もう1点、住宅取得資金贈与と併せて、住宅ローンを使う場合も多いと思います。

この場合は、住宅ローン控除の計算において、住宅の取得価額から、住宅取得資金贈与の金額を差引いて計算する必要があります。

これを失念するケースも多いようですので、注意してください。

以上、特例を使う場合は、その適用要件に十分注意をする必要があります。

自分で申告される方は、国税庁ホームページにあるチェックリストなども使って、よくチェックしてみてください。

編集後記

本日も書きましたように、特例には非常に落とし穴も多いですね。
金額が大きい特例などを使う場合は、是非、私ども専門家等にご相談いただいた方がいいと思います。
ご相談ある場合は、是非、お早目にお願いします。

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