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実践!相続税対策

生前贈与を活用する【実践!相続税対策】第414号

生前贈与を活用する【実践!相続税対策】第414号

2019.11.27

おはようございます。税理士の利根川裕行です。

気がつけば、本年も、残りわずかとなりました。

この時期になると、自然に考えることは、贈与を実施しておくかどうかということではないでしょうか?

相続税対策の基本は、生前贈与となりますので、今回は、そのあたりを大まかにまとめてみたいと思います。

贈与を検討される際に、優先的に考えるのは、贈与税の非課税となっているものから検討していくということです。

具体的には、扶養義務者間の贈与、住宅取得等資金の贈与、教育資金等の一括贈与などがあります。

なお、住宅取得等資金の贈与を除いては、年末を意識する必要はありません。

各々、ポイントをまとめると次のようになりますが、詳細はバックナンバーを参照してください。

●「扶養義務者間の贈与」

その都度、生活費や教育費にあてるためにしたもので、通常必要と認められもの。

一般的に必要と認められる金額の範囲内のものであれば、贈与税はかかりませんし、申告手続きの必要もありません。

●「住宅取得等資金の贈与」

子や孫が自宅を購入する際に、一括でその購入資金の援助として行うもの。

令和2年3月31日までに契約した、消費税10%の省エネ等住宅の場合、3,000万円まで贈与税は非課税です。

ただし、申告手続きは必要となりますので、ご注意ください。

●「教育資金の一括贈与」

子や孫の教育費を一括して援助するために、金融機関を通じて行うもの。

もらう人単位で、1,500万円まで贈与税は非課税です。

金融機関を通して事務手続きを行うため、申告手続きは必要ありません。

贈与税が非課税になるものの次に、暦年贈与を検討する場合が多いと思います。

1月1日から12月31日までの間で、もらう人単位で、110万円までは贈与税がかからないという、おなじみのものです。

なお、上記の贈与税が非課税となるものを使っていた場合、非課税分+年間110万円の合計額までは、贈与税がかかりません。

年末までに実行する場合、贈与契約書を作成した上で、預金口座を通して、お金の流れを明確にしておいてください。

なお、暦年贈与の場合、相続が発生してしまうと、相続開始前3年以内の贈与分は、相続財産に加算されてしまいます。

相続税対策という観点からは、できるだけ早い時期から暦年贈与を行った方がよいことになります。

贈与税の非課税分は、3年以内の贈与であっても、相続財産に加算されることはありませんので、ご安心ください。

最後に、相続時精算課税贈与がありますが、相続財産の前渡し的に行う贈与です。

相続時精算課税による贈与財産は、相続時に相続財産に加算することを、十分考慮して行う必要があります。

贈与税のことだけ考えると、2,500万円までは、贈与税はかかりません。

そのため、一度に多額の財産を移転できるというメリットはありますが、デメリットも多いため、慎重にご検討ください。

年内に相続時精算課税贈与を行った場合、来年の3月15日までに、申告を含め、所定の手続きを踏まなければなりません。

贈与についても、税法上の恩恵を受けるためには、いろいろな要件を満たす必要があります。

また、相続対策の全体像を見据えたうえで、贈与の実行計画を立てられることをお勧めいたします。

これを機に、お気軽にご相談いただければと思います。

編集後記

私ごとで恐縮ですが、このたび、独立開業することになりましたので、この相続対策メルマガについても、今回が最後となります。
4年と少々という短い期間でしたが、私が書いた原稿も読んでくださり、誠にありがとうございました。
東京メトロポリタン相続クラブの皆さまの、ご健康とご多幸を祈念いたします。

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