実践!社長の財務
賞与引当金をしっかり積もう【実践!社長の財務】第787号
2018.12.03
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
12月に入りました。今年も残すところ1カ月。毎年同じようなことを書きますが、今年中にやるべきこと、リストアップしてしっかり終わらせ、新たな年を気持ちよく迎えましょう!
では、本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします!
賞与引当金をしっかり積もう
12月と言えば、賞与の時期です。夏期と冬期と年2回支給している会社が多いと思います。
昨今では年俸制のように、賞与をなしにして、賞与も含めた年俸を12で割って支給している会社も増えてきています。
どちらかいいかは、もらう方ではないのでよくわかりませんが、やはり定期収入ではない収入がある、というのはいいのではないかなあ、と思います。
その分、多少毎月の給与が低くても、その中で通常の生活や貯蓄ができれば、賞与はレジャーに使ってもいいし、特別なものを買っていいし、貯蓄してもいいという、自由に使えるとことがいいですね。
払う側の会社にとっては、これはしっかり計画しておかないといけません。
昨今では、賞与引当金を毎月計上している会社が多くなっていると感じますが、皆様の会社はいかがですか?
年間計画を立て、その中で賞与もしっかり見込み、それを12で割って、毎月定額で計上するのが最も簡単な方法です。
仕訳で表すと、次のようになります。
毎月末
(借方)賞与引当金繰入額→損益計算書
(貸方)賞与引当金 XXX万円→貸借対照表
これをやっておくことで、繰入額がしっかり損益計算書に入り、それを引いたところで、毎月の利益が計算されます。
賞与引当金を計上していない会社は、7月と12月に賞与を払うと、急に損益が赤字になったりします。
このようなことでは、経営者も管理職も業績を勘違いしやすくなりますので、しっかり賞与を見込んだ利益を把握しておく必要がありますね。
一方、貸借対照表の負債の部には、賞与引当金が計上され、毎月末の貸借対照表には、現在までに積まれた賞与引当金の残高が載っています。
たとえば、11月末の貸借対照表に載っている賞与引当金の残高は、冬期賞与のために積んできた引当金の累積額です。
この金額の範囲内で、12月に賞与を支給すれば、追加の費用は発生しません。賞与引当金の残高以上の賞与を支給すれば、その超過した賞与の額は、12月の経費が増えることになります。
業績によって、賞与が変動するのであれば、毎月の賞与引当金の引当額も、業績に応じて変動させていくような方法を取った方が良いと思います。
どのように毎月の賞与引当金を計上するのかは、それこそ各企業の独自の計算方法で構いません。重要なのは、賞与引当金を各企業の実情に合わせて、適正に積んでいく、ということですね。
年2回の賞与で、業績がアップダウンするような不安定な経営や会計は避け、賞与引当金を活用することで、安定・安心な経営をしていって欲しいですね。
編集後記
週末、福島のかわうち村というところへビジネス交流会の仲間で出かけ、ボランティアをしてきました。福島に本格的なワイナリーを作ろうと活動している人たちと共に、防寒対策の作業をしてきました。まだまだ3年目で、売れるワインはできていませんが、将来楽しみです!おかげで今日は足からか腰から、腕や手先まで様々なところが痛いですね…(笑)。
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