実践!社長の財務
会計がわからんで経営ができるか【実践!社長の財務】第316号
2009.11.23
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
私がこのようなメルマガを書くようになったのも、ある1冊の本に大きな影響を受けた、のが1つの理由です。
その本は、「稲盛和夫の実学-経営と会計」という本です。
1998年10月に日本経済新聞社より発刊された本ですが、ご存知京セラ創業者の稲盛和夫氏が、自身の会計哲学&実学について書かれた本です。
研究者でもあり経営者でもある方が、会計について本を書く、というのは、本当に異色だと思います。
でも、私にとってはもの凄いインパクトのある本でした。
今回改めて、この本に書いてあることについて、何回かに渡って、皆様と再度学びを深めていければと、思っています。
是非、おつき合いください。
ということで、本日も、実践!社長の財務いってみましょう!
会計がわからんで経営ができるか
この「会計がわからんで経営ができるか」は、この本のまえがきに書かれている言葉ですが、この言葉がこの本のすべてを語っていると言っても過言ではないと思います。
もう、本当にこの言葉には、ドキッとしました。
と同時に、「やっぱりそうだったのか!」と、深く感動をした、意を強くした覚えがあります。今でもそうです。
自分たちがやってきた「会計」という仕事、中小企業の経営者からは、あまり重要視されず、ちょっと見て「あっ、そうなの...でも現実の営業の現場ではねえ・・・」という話にすり替えられる、そんな状況が多かったものです。
もちろん、そうではない社長もいましたが、多くの社長は、会計や数字に関しては、すでに過去のこと、そんなもの見てもあまり役立たない、ということで、あまり重視してくれないことが多かったものです。
でも、上場企業の経営者が、しかもベンチャーから起業して上場をし、高い収益力と抜群の財務内容の京セラという会社を作り上げ、さらに、第二電々から始まってKDDIをも作り上げてきた...
そんな稲盛和夫という偉大な経営者が、「会計がわからんで経営ができるか」と言うのですから、もうこんな心強い、感動的なことはありません。
以来、本当に会計は経営にとって重要なんだ、おろそかにすることはできないんだ、だから私たちはこの仕事に誇りをもって、中小企業にそれを伝えていかなければならないんだ、という使命感のようなものを持って、仕事にあたっていくことができているんだと思います。
それ程、この本に、稲盛和夫氏に感謝をしております。
稲盛氏は、「会計が表す数字は、飛行機の操縦席にあるコックピットのメーターの数値に匹敵するものであり、経営者をして目標にまで正しく到達させるためのインジケーターの役割を果たさなくてはならない。」と言っています。
会計とはそのようなものであるからこそ、
「経営に関する数字は、すべていかなる操作も加えられない、経営の実態を表す唯一の真実を示すものでなければならない。」
「損益計算書や貸借対照表のすべての科目と、その細目の数字も誰から見ても、ひとつの間違いもない完璧なもの、会社の実態を100%正しく表すものでなければならない。」
とまで言い切っているのです。
これだけの覚悟を持って会計に臨むことは、私も含めた会計人や中小企業の経営者で、まずここまでできている人は少ないのではないかと思うのです。
しかし、ここまでの覚悟で臨んだからこそ、あのような立派な会社を作っていくことができたのだと思います。
私たちも会社を立派にしたい、と考えるのであれば、このような考え方、覚悟を持っていく必要があるでしょう。
そういうことで、これから数回、この稲盛和夫の実学のひもときに、おつき合いいただければと思います。
編集後記
今日は勤労感謝の日なんですね。勤労できることに感謝し、今日も溜まった原稿書きなどに精を出そうと思います。
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