実践!社長の財務
ステップ3:月次決算3Sを導入する【実践!社長の財務】第278号
2009.03.02
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
いよいよ3月に入り、確定申告も真っ盛り。皆様はもうお済みですか?
私どももこれからが、確定申告の山場ですね。
是非、体調管理に気をつけ、この3月を、年度末を乗り切っていきましょう!
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう。
ステップ3:月次決算3Sを導入する
第1S:公私混同を排除し、第2S:B/Sを改革する道筋をつければ、次はP/L(損益計算書)ですよね。
これを良くしていくには、やはり月次決算をきちんとやることです。
私どもはそれを、「月次決算3S」と言っています。
月次決算をやるにあたっての肝です。
すなわち、スピーディー・シンプル・正確 の頭文字の3Sです。
まあ、1つだけ漢字でカッコ悪いですが...
上記、特に説明するまでもないと思いますが、簡単にコメントをしてみます。
まず、スピーディー。月次決算は、経営に活用するために行なうわけですから、経営に活用できるだけの早さで出さないと意味がありません。
理想的には、1日ですね。前日までの前月の数字が、1日にわかれば前月はどうだったのか、なぜそうなったのか、では、今月はその結果どのようにしていったらいいのか、課題と目標を1日に立てることができます。その後、丸々1ヶ月その課題に取り組むことができます。
その理想に向け、では御社では何日までに出し、何日にそれを使った会議や検討を行なうのか、それを決めていただければと思います。
ただ、遅くても10日までには出して欲しいし、実務的なことも考えて5日位が目標なのかと思います。
それ以上遅くなる場合は、詳細なものは遅くても、会議できる速報は10日以内に出して欲しいですね。そうでないと、行動計画立てる前に残りの日数が半分位になってしまいます。
次にシンプルですが、これは2つの意味で言っています。
1つは、しくみのシンプルさ。これはスピーディーにもつながることですが、経理や会計のしくみをできるだけシンプルに作ることです。
複雑なしくみにすると時間がかかりますし、形式や詳細にこだわり過ぎると、必要以上のものができてしまう、あるいは本質をはずしてしまうことにもなりかねません。
もう1つのシンプルは、アウトプットのシンプルさです。
複雑な表は、詳細に出ているのかも知れませんが、見る気がなくなることもあります。
各アウトプットの意味を考えて、何を伝えたいのか、これをできるだけ絞って、必要な数字を出すことが大事ですね。
何が大事な数字なのか、これを突き詰めていくことをやっていくことです。
そして最後の正確。これは月次決算を経営に活かす、という意味での正確です。もちろん、本決算に近い精度の高い数字が出ているのがベストですが、それに時間がかかるのであれば、経営判断を誤らせないような数字を出すこと、これが月次では重要です。
もちろん、これは計算ミスとかは許されないわけで、あくまで、データの収集が短時間でどこまでできるのか、というような正確性ですね。これも、上記の必要な数字の目的と関連してきます。
月次で不要と思われる処理はしない、という選択肢もありますね。
月次決算3Sは、これは経理だけの問題ではないです。
各部門が連携して、月次決算を作り上げていくことが大事であり、この月次決算3Sは、全社の「合言葉」として取り組んでいくことができると強いですね。
各部門の部門別採算なども月次では出しますので、各部門に月次決算3Sは関係するんだという意識が必要です。
是非、全社で取り組んでいただきたいことです。
編集後記
週末は、熱海に行ってきました。
熱海の山の上のホテルですが、すぐ下に「かんぽの宿」が見えます。
私たちの泊まったところは、結構高いホテルでしたが、かんぽの宿もいいところにありますね。ちょっと外観が汚れていましたが、きれいにすれば、きっといい宿泊施設(今もいいのかも知れませんが)になるはずです。
やはりあれをひっくるめて、100数億というのは安いのかも知れませんね...
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