実践!社長の財務
消費税増税で本当に怖いもの【実践!社長の財務】第819号
2019.07.15
消費税増税まで、3か月を切ってきました。
各社、増税対応の準備をしていることかと思います。
今回は税率アップだけでなく、軽減税率が導入されることで、様々な細かい対応が必要になってきています。
価格改定や、それに伴う価格表や値札、パンフレット、HPの変更、お客様への通知など、やらなければいけないことを洗い出し、これらについては計画的にやっていくことが大事です。
ただ、消費税増税で怖いなと思うのは、消費税の納税です。
消費税は、基本的には年1回の申告で納税額が決まります。ただし、年税額によって、中間納税が年1回、3回、11回と変わってきます。
金額が多くなれば、納税回数が増えていくことになります。
金額が多くなれば、一時に払うのは大変になるから、何回にも分けて払ってください、ということです。
消費税率が上れば、当然、預かる消費税が多くなります。
仕入に支払う消費税も、もちろん多くなりますが、通常は売上の方が多いでしょうから、差額として納付する消費税
も増えてきます。
8%が10%になるわけですから、単純に計算すれば25%も(2%÷8%)納付する消費税が多くなるのです。
1回に支払う消費税が、今までより25%も多くなるというのは、結構、資金繰りにインパクトを与えるのではないでしょうか…?
もちろん、預かる消費税も多くなるわけですから、それだけ手元資金も多くなるはずですが、皆様、実感しているとおり、あれば使ってしまうのが、資金です。
お金に色はついていないので、売上だろうが、預かったお金だろうが、あれば関係なく、資金繰りに使ってしまうのが普通です。
それが消費税増税の本当に怖いところです。
何となくいつもよりお金が多くあるな、資金繰りが楽になったな、と思っていると、消費税がドーンと来るわけですね(笑)。
それで消費税の納税が、ものすごくキツくなる、ということになります。
お金に余裕があるからと、いつもより出費が甘くなってしまったりすると、あとで悲惨なことになるので要注意です。
それでなくても、国税の滞納額は、消費税がダントツに多いのです。預かった時と支払う時のタイムラグが長いため、どうしても資金繰りに使ってしまうのですね。
この点は制度の問題でもあると思いますが…。
いずれにせよ、消費税の納税があることを十分意識して、いついくらくらい払うのか、予測を立てて、納税に備えていくことが大事です。
一度滞納してしまうと、なかなか正常に戻れないのが、この消費税や源泉所得税の滞納の特徴です。次の納期がすぐ
に来るので、対応できない内にトンドン貯まってしまうのですね。
そのようなアリ地獄に落ちないよう、しっかり納税管理してください。
編集後記
今日は海の日ということで休みなんですね。祝祭日もずい分増えてきたので何の日だか、すぐに思い出せないことも多くなってきました(笑)。ただ、休みでも書かなければいけないものが結構あり、今日はそれをやりますが、事務所やお客様のことを気にせずできるのが、休みのいいところだなあと思ったりしています。
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