実践!社長の財務
リース取引 消費税の取り扱いに注意【実践!社長の財務】第231号
2008.04.07
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
平成20年度税制改正案は、可決されないまま4月突入してしまいましたね。2ヶ月延長しているものもありますので、多くのことには影響はないのでしょうが、異常な事態であることは間違いないですね。
4月末くらいまでには、決めて欲しいものです。
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
リース取引 消費税の取り扱いに注意
先週、税法においても、所有権移転外ファイナンスリースは、賃貸借取引ではなく、売買取引になる、という話をしました。
「所有権移転外ファイナンスリース取引」長ったらしくて難しそうですが、今のリースは、ほとんどこれに該当します。
御社にある、コピーのリースや、パソコンのリースなどは、ほとんどすべて、この「所有権移転外ファイナンスリース取引」に該当します。
さて、リースは、売買取引になったが、税法上は、今までどおり賃貸借処理をしていても構わない、ということを先週話しました。
会計監査を受ける会社以外は、それでもいい、ということですね。
ただし、消費税だけは、注意しなければなりません。
すなわち、税法上売買取引になったということは、リース契約=資産の取得ですから、その時にそのリース資産にかかる消費税の全額を、認識することになる、ということです。
今までは、リース料支払時に、消費税を計上していました。
月50,000円のリース料であれば、2,500円の消費税を上乗せして払い、その消費税は、その期に納付すべき消費税から控除することができました。
ところが、これからは、支払時ではなく、リース契約時に消費税を立てます。
リース総額300万円であれば、15万円の消費税を、リース契約した期の消費税から、一気に控除することができるのです。
これは、会計処理として、賃貸借処理を継続していく場合であっても、同じです。
ということは、リースをやるメリットが1つ増えた、ということになりますね。
リースは資産計上だから面倒、これからはリースはやめよう、なんていう話も聞こえてきますが、こと中小企業に限っては、
リースは今までどおり、リース料や賃借料で処理して構わないし、消費税も安くなる、ということですね。
(もちろん、リース期間トータルで見れば消費税は同じですが)
その他にも、リース資産についても、資産取得の税額控除(取得価額の7%の税額控除など)の対象に、リース資産もなることなども、メリットのひとつですね。
しかも、リース資産の場合には、リース総額を取得価額として計算しますので、購入の場合よりも税額控除が多くなる、というメリットもあります。
(リース総額には、金利なども含まれていますので、取得価額よりも高くなるので)
決してリース会社の回し者ではないですが、中小企業にとってはリースは、今までどおり活用したらいいのではないかと、思います。
編集後記
そろそろリース会計も終わりにして、次のテーマに行きたいと思います。
来週に向け、ちょっと企画を考えていこうと思っています。
新年度も引き続き、実践!社長の財務、よろしくお願いします。
また、読んでいただけそうな方がいましたら、是非、お奨めをお願いします。
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