実践!社長の財務
リース取引-中小企業にとっては?【実践!社長の財務】第230号
2008.03.31
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
今日は年度末ですね。
ついに、租税特別措置法-日切れ法案も正常な形では決着しませんでしたが、ガソリンなどはこれから混乱しそうですね。
当社のお客様にもGSがあるけれど、大丈夫だろうか...心配です。
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
リース取引-中小企業にとっては?
このところリース会計ばかりやっており、中小企業の方から、「うちはあまり関係ないんだけど...」と言われてしまいました。
すみません。確かに、そうですね...
リース会計を説明しようとすると、やはり難しいこともあるし、説明することも多いので、細切れに長くなってしまいます。
ということで、少し解説の仕方を考えてみたいと思います。(号外などの方法で)
そこで、本日は、リース取引でも中小企業に関係のある話をします。
中小企業にも直接関係してくるのは、税法の扱いです。
今回のリース会計の変更は、税法の方も歩調を合わせて変わっております。
まずは、税法においても、所有権移転外ファイナンスリースは、賃貸借取引ではなく、売買取引になりました。
すなわち、賃借料やリース料ではなく、資産に計上しろ、ということですね。
資産に計上する額は、先週話したように、リース料の総額です。
5年で300万円のリースであれば、リース資産を300万円で資産計上するのが原則です。
ところが、税法では、実際には資産計上しなくてもいいのです。
なぜか? それには2つの理由があります。
1つには、リース資産の償却は、リース期間定額法で行なうことになっていることが理由です。
すなわち、5年リース 総額300万円のリース資産は、毎月の償却額は、300万円×1/60=5万円となります。
これは、毎月のリース料と同じ額である、ということがポイントです。
すなわち、毎月リース料で費用計上しても、リース資産を資産計上して、毎月償却費として計上しても、費用になる額は、変わらない、ということがミソなのです。
そして、2つ目の理由は、
リース料や賃借料として費用計上したものは、税法上、償却費として損金経理(税法上の費用に計上すること)したものとみなす、
という規定ができた、からです。
すなわち、上記のリース料と償却費は、額も同額であるし、その処理の意味合いは、税法上同じと考えますよ、というわけです。
だから、今までどおり賃借料やリース料で、費用処理していても税法上は問題にならないのですね。
中小企業は一安心ですね。
ただし、消費税の取り扱いだけは注意しないといけません。
それについては、来週やりましょう。
編集後記
いよいよ今日は31日ですので、明日から、リース取引の会計や税務が変わりますね。
税法上は、明日以降、契約するものが改正の対象です。
リースはもう面倒くさそうだから、もうやめようか、などと言っている中小企業の方もいますが、決してそんなことはありませんよ。
むしろ、中小企業にとっては、リースの方が得になるのでは? と思います。
その理由は来週説明します。
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