東京メトロポリタン税理士法人

お問い合わせ

〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-24-1 西新宿三井ビルディング17F

  1. HOME
  2. メールマガジン
  3. 実践!社長の財務
  4. 月次決算3Sを頭に入れよう!【実践!社長の財務】第215号

実践!社長の財務

月次決算3Sを頭に入れよう!【実践!社長の財務】第215号

月次決算3Sを頭に入れよう!【実践!社長の財務】第215号

2007.12.17

おはようございます。
税理士の北岡修一です。

先週報告したとおり、13日に自民党(与党)の税制改正大綱が発表されましたね。

注目の「金融一体課税」は、2009年1月より上場株式等の譲渡も配当も、原則は20%の税率になりました。

その上で、譲渡は500万円以下、配当は100万円以下の部分について税率を10%にするとのことです。これは2年間だけの措置です。

やはり心配していたように、複雑になってきましたね。
特定口座は1年遅れになりますので、複数税率は自分で申告することになりますが、果たして正しい申告ができるのか、問題がありそうですね...

でも、「金融一体課税」として、株式の譲渡損が配当所得と通算できるようになったことは、一歩前進だと思います。
今後は、利息なども一体課税に入ってくることと思います。

また、上記以外では、エンジェル税制の大幅拡充が、注目ですね。
これは、個人が特定の中小企業に、出資をした場合において、1,000万円を限度に寄付金控除ができる、というものです。

もちろん寄付金の限度(所得の40%)などはありますが、出資した金額を所得から引いてくれるというのは、ベンチャーなどに出資するモチベーションアップにつながると思います。

ただし、寄付金控除をした金額は、株式の取得価額から差し引くということですから、その株式を譲渡したときには税金がかかってくるということですね。その点は、さすが国税もしっかりしてますね。

ということで、税制改正については、またの機会に解説などもしていきたいと思います。

では、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!

月次決算3Sを頭に入れよう!

『会計理念経営』10カ条の続きです。

第6条 月次決算は、3つのSを重視する
・・・スピーディ&シンプル&正確に!
・・・月次決算の正確さとは、経営の判断を誤らせないこと

上記を、私どもは「月次決算3S(スリーエス)」と呼んでいます。
覚えやすいので、これは是非、頭の中に入れておいて欲しいと思います。

月次決算3Sとは、
1.Speedy の S
2.Simple の S  そして、
3.正確 の S

です。1つ漢字が入ってしまうのは、ご愛嬌ということで、お許しください。(笑)

きれいにいきたかったのですが、英語のボキャブラリーが少ないもんで...

でも、内容的には、ものすごく的を得ているのではないかと、自画自賛しています!

まずは、月次決算は、とにかくスピードが大事です。
なぜかと言えば、経営に利用するためです。
月次決算は、過去をとやかく言うのではなく、将来に活かすために行なうものです。

1ヶ月は30日しかないのですから、ウダウダしていると、あっと言う間に、1ヶ月が過ぎてしまいます。

できれば翌月初すぐに、月次決算を出し、前月までの実績を踏まえて、当月の予定、計画を立てていかなければいけません。

そのためには他を犠牲にしても、スピードが大事です。
遅くても5日位までには出せるように、しくみを作って欲しいですね。

そして、次にはシンプル。
何をシンプルにするかは、2つあります。

1つは「経理のしくみ」をシンプルにすることです。
複雑な、面倒な経理は、できるだけ行なわないことです。

たとえば、現金扱いなどはできるだけなくすことです。
社内の入出金は、経理にとって最も手間のかかる仕事です。

その他にも、2度手間になる帳票類などはできるだけ廃止したり、パソコンやインターネットなどをフル活用して、シンプルな経理を工夫していくことが大事ですね。

これが、1のスピーディーにつながっていきます。

 
もう1つのシンプルは、「わかりやすい資料」を作る、ということ です。
経営者が本当に見たい資料を、要点を絞ってわかりやすく、シンプルに作る、これが大事です。

月次決算は、経営に役立てるためにやるのですから、その目的に照らしたシンプルなものになっていないと、実際にはなかなか使えないものです。

これも、創意工夫を積み重ねることが大事ですね。

最後のSの、正確は、「正しい数字」を出す、ということです。

何回も言いますが、月次決算は経営に役立てるものですから、経営判断を誤らせないために、正しい数字を出すことが重要です。

ただし、これは1のスピーディーとは相反するものでもあります。
正しくやろうと思えば、時間がかかってしまうこともあるからです。

では、この場合はどうなのか?
それは、「経営判断を誤らせない範囲の正しさ」であれば、月次では良いと思います。

スピードが大事であり、その中でできる最大限の正しい数字を出すように心がける、ということになりますね。私はそう思っています。

したがって、月次では枝葉末節の部分は切ってしまうこともあります。

この点は、会社の状況によって、適宜判断していけば良いのではないでしょうか。

いずれにしても、御社の「月次決算3S」をどのように実行するかを是非、考えてみてください。

また、月次決算をやりながら迷ったとき、経営者が経理に指示をするとき、是非、この「月次決算3S」を思い出して考えてみてください。

編集後記

いよいよ今年も残すところ2週間、仕事をするのは2週間もありませんね。今年中にやるべきことをあげ、カウントダウンで仕事をしていく時期に入ってきました。
やはり年の終わりというのは、何かいつもの月とは違った感覚、感慨深いものが出てくるから、不思議です。

メルマガ【実践!社長の財務】登録はコチラ
https://www.mag2.com/m/0000119970.html

税務・財務・経営のご相談はお問合せフォームへ

税理士セカンドオピニオン

<< 実践!社長の財務 記事一覧