実践!社長の財務
役員給与の取り決めは期首に【実践!社長の財務】第837号
2019.11.18
役員給与(役員報酬や賞与)の取り決めは、期首にきっちり行っておくことが大事です。
ここをいい加減にやっておくと、後で税務調査などで思わぬ否認を受けてしまう可能性があります。
中小企業などでは、株主総会を実際にやっていないことも多いですね。
ただ、役員給与は株主総会で決めるのが原則ですので、期首の2か月あるいは3か月以内に、定時株主総会を形式的にでも開催して、役員給与を明確に決めることが大事です。
役員給与は、基本的には2つです。
毎月の役員報酬、税法的には、定期同額給与と言います。
それと、役員賞与的なもので、事前確定届出給与というものがあります。
役員報酬は、基本的には毎月、同額を支払っていくものです。
これは期首から3か月以内に、定時株主総会で毎年決定します。
申告期限の延長をしていない会社は、通常は2か月以内に定時株主総会を開催し、そこで役員報酬月額を改定します。
その上で、定時株主総会後の支給日(直後に支給日が来る場合は翌月でも可)から、役員報酬を改定します。
これは、基本的に毎年同じ時期にやることが望ましいですね。
議事録にもいつから改定をするか、支給日を書いておきます。当然、実際にもその通りやっておかないと否認される可能性があります。
それと、事前確定届出給与も是非、活用すると良いでしょう。まだまだ、活用している会社は少ないようです。
事前確定届出給与は、定時株主総会等で、あらかじめ支給する時期と金額を役員ごとに定めて、これを税務署に届けることによって、支給する役員給与です。
この届出は、定時株主総会等で決めた後、1か月以内に税務署に届出ます。
たとえば、定期同額給与の他に、役員賞与を年2回支給することを決議して、これを届けることによって役員に賞与を支給し、これを損金に算入することができます。
役員賞与は損金にはならない、というのが原則でしたが、事前確定届出給与を使うことによって、損金にすることができるのです。
ただし、支給時期、支給金額が届け出たものと変わってしまった場合は、損金にすることができません。
業績の変動によって、変えてはいけない、ということですね。
したがって、期首に今年の事業計画をしっかりと立てて、役員給与を、毎月いくら、賞与をいついくら、ときちんと決められなければいけません。
毎月の役員報酬は、その職務に基づいた基本的な給与、事前確定届出給与で支給する賞与は、今期の業績(あるいは前期の実績を踏まえて)によって、支給する業績給、
というように、それぞれの役員給与の性格を考えて、支給していくと良いのではないでしょうか?
編集後記
11月も中盤に入り、急に寒くなってきた感じですね。考えてみれば、今年もあと1か月半ですので、寒くなって当然なのですが、ついこの間までクールビズをやっていたので、何となく季節感がくるっているような感じもします。身近な感覚から本当に温暖化が進んでいるのでしょうね。
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