実践!社長の財務
250%定率法とは?【実践!社長の財務】第187号
2007.06.04
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
今日は時間がないので、前置きはなし、ということで始めます。
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
250%定率法とは?
平成19年度の減価償却制度改正の中では、250%定率法の実務が大きなポイントになってきますね。
250%定率法は、定額法の償却率の250%が、定率法の償却率になるということです。
耐用年数10年であれば、定額法は、1/10 すなわち、0.100です。定率法の償却率は、 0.100×250% =0.250 ということになります。
ちなみに、耐用年数2年は、どうなるかというと、
定額法 2年 0.500 定率法 0.500×250% =1.250 ? には、さすがにならないです。
償却率が、1を超えることはないので、この場合は、1.000 ということになります。
すなわち、期首月に買えば、1年で償却できてしまう、ということですね。(1年目の途中で買えば、月割り)
ところで、これだけであれば、250%定率法は簡単なのですが、そうは、簡単ではありません。
途中から定額法に切り替わってしまうのです。
なぜかと言えば、今回の税制改正では、耐用年数経過時に100%償却できるようにする、というのが趣旨だからです。
定率法というのは、毎期 未償却残高に一定率を掛けていきますから、毎年毎年、償却費が減っていく(逓減する)のです。
したがって、このままでは、決して簿価がゼロにはなりません。
いくらか残ってしまいます。
そこで、途中から定額法に切り替えて、耐用年数経過時には100%償却をしよう、ということなのです。
では、どこで切り替えるのか?
政令で簡易の計算式が出ましたが、それをやる前に、切り替えの時期の意味をわかっておく必要があると思います。
すなわち、定率法から定額法に切り替えるのは、
A:定率法による償却費が、
B:未償却残高を、残年数で割った額を
下回った時です。 A<B の時ですね。
簡単な例、(単なる数字だけで整合性はないので、あしからず)
A:定率法の償却費が、50,000円
B:未償却残高 240,000円 耐用年数の残年数 4年
240,000円÷4年 = 60,000円
A50,000円 < B60,000円 ですから、
この時から、定額法60,000円 に切り替えるのですね。
これを、実際の実務では、次のようにやることになりました。
<定額法への切り替えの時点>
A 通常の償却費 = 未償却残高 × 新償却率 が、
B 償却保証額 = 取得価額 × 保証率 を下回った場合、
その下回った事業年度から、次の計算式による定額法に切り替えることになります。
※上記の保証率というのが、新たに耐用年数ごとに決められました。
<切り替え後の償却計算>
◆ 改定償却額=改定取得価額×改定償却率
※改定取得価額とは、切り替え年度の未償却残高です。
※改定償却率というのが、新たに耐用年数ごとに決められました。
ちょっと面倒ですが、計算自体はそれ程難しいものではないですね。
ただ、これを各資産ごとにやるわけですから、やはり煩雑にはなりますね。
また、上記の計算は、平成19年4月1日以降に取得した資産です。
それ以前に取得した資産は、今までどおりやって、95%まで償却したあと、また、償却方法が変わります。
これについては、来週お話します。
編集後記
6月になりました。また、今年もクールビズの時期ですね。うちも6月~9月は、ノーネクタイOKということにしています。でも、ネクタイしなくてもいいYシャツじゃないと、ちょっとみっともなくなりますから、却って気を使いますね。ネクタイしている方が、楽かもしれません...
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