実践!社長の財務
元手を何倍にしたか...【実践!社長の財務】第184号
2007.05.14
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
最近、とみに人材の話が増えています。なかなか人が採れないと...経理の幹部がなかなかいないという話だったり、先週、建設業の方などは、日本では全然採れないので、中国に行ってくる、というような話をしていました。
景気がいいことや、2007年問題、少子化の問題などいろいろからんでいるのでしょうが、確かに数年前に比べると、相当環境が変わってきていますね。
人材募集の予定がある会社は、相当心してかからないといけないですね。
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
元手を何倍にしたか...
先週は、自己資本比率の割合による「経営の実感」について、M社長の例を紹介しました。
自己資本比率と共に、私が注目しているのは、自己資本額です。
現在の自己資本額が、どれ位あるか、ということですね。
ご存知のとおり、自己資本は、投下した資本金の額と、利益の累積である内部留保額から構成されています。(特殊な場合を除き)
私が経営する会社は、主に3社あるのですが、やはりバランスシートを見るときは、自己資本を見て、
「もう○○年も経っているのに、自己資本はまだこれだけか...」と思ってしまいます。
たとえば、資本金1,000万円で始めた会社が、設立から10年も経っているのに、自己資本が1,500万円しかなかったら、
「10年もやって、元手がやっと1.5倍か...500万円しか増やせてないんだ...」
と、ちょっとガッカリしてしまいますね。
まして、数十年やっているのに、当初の資本金額より自己資本が少なかったりしたら、「この何十年、一体何をやってたんだろう...」と自責の念にかられてしまうのでは、ないでしょうか?
まあ、そういう会社の方は、いろいろな理由を上げるのでしょうが、所詮は言い訳にしか聞こえないですね。
大の大人が、それこそ何人もかかって、元手を増やせていけないのは、本当に情けないことだと思います。そう思わないといけないと思います。会社ですから。
自己資本がどの位増えたのか、元手の何倍になったのか?それも増資などではなく、利益の蓄積である内部留保で。
これこそが、長年に渡る経営者の実績であり、評価です。
損益計算書は、1年でオールクリアされてしまいますが、貸借対照表の自己資本は、とにかく積み重ねです。
1年だけ良くてもだめなのです。
いい会社にしていこう、少しでも利益を上げよう、と何年も努力した結果が、自己資本に現れてくるわけです。
ですから、毎決算期ごとに、自己資本が元手の何倍になったのか、是非これを意識して、経営者の今までの努力の証として、自己資本額を増やしていくことを目標にするといいと思います。
是非、今、御社の自己資本=純資産の額を見てください。
元手(資本金)の何倍になっていますか?
それは、今まで○年間やってきた結果として、満足のいく水準になっていますか?
○年たった割に、ちょっと寂しい数字だと思った方、これからでも遅くないです。是非、事業をやった証としての自己資本を増やしていけるように、頑張っていって欲しいと思います。
編集後記
土曜日は子供のPTA総会でした。夫婦で役をやってしまったもので、なるべく私は目立たぬよう、おとなしく引っ込んでいました。
それにしても、たまにはビジネスを離れ、こういった総会に出るとまた違った刺激があっていいですね。
メルマガ【実践!社長の財務】登録はコチラ
⇒ https://www.mag2.com/m/0000119970.html