実践!社長の財務
自己資本比率は、経営のすべての要素が入っている【実践!社長の財務】第182号
2007.04.30
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
4月も今日で最後。何か忘れていることはなかったかな...?
月末3連休だとそんなことを思ってしまいますね。
でも、申告期限などは5/1までですからね、休み明け確認しましょう。
5月からは、いよいよ三角合併の解禁です。
会社法施行から、外資による買収に備えるための準備期間として、施行が1年延長されていました。
税法の方も整備され、ペーパーカンパニーによる買収は、実質封じられています。
どのような動きになるのか注目ですね。
外資による日本進出が多くなるということで、人材派遣や人材紹介の会社が、その準備、人の確保を力を入れてやっているようですね。
果たして思惑通りにいくのでしょうか...?
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
自己資本比率は、経営のすべての要素が入っている
経営指標は、「経常利益率」と「自己資本比率」の2つでいいと、先週お話しました。
誤解のないように言いますと、もちろん、それ以外の指標も意味がないということは、ありません。(ちょっと、そんな意見があったので)
上記2つの指標は、どちらかというと、『最終結果』の指標であり、それが導き出されるプロセスにおいては、他にも様々な指標があります。
労働分配率や、粗利益率なども、それはそれで、大変重要です。
何が有用かは、それを使う人が、状況を理解して、改善の行動につながるものであれば、それは有用なのです。
あくまでも、私の思うところ、見方、感覚で話していますので、誤解なきよう、お願いします。
そこで、自己資本比率ですが、この比率は、経営のすべての要素が入っている比率、と言ってもよいのではないかと、思っています。
1つの比率ですべてが入っている、というのも大袈裟かも知れませんがやはり算式をみても、そう思います。
★自己資本比率 =純資産/総資本
これを、もう少し詳しくすると、
★自己資本比率=資本金+累積利益/純資産+負債=資産
となります。
自己資本比率を上げようと思えば、まずは、分子を大きくするか、分母を小さくするかです。
分子を大きくするということは、純資産を大きくすることです。
そのためには、資本金を増やす(増資)か、利益(税引き後、配当後)を上げていくかです。
資本金は、そう増やせないでしょうから、とにかく、P/Lを良くして、税引き後利益を上げていくことです。
分母を小さくするには、純資産は小さくできませんから、負債を小さくすることです。(└→上に書いたように純資産は大きくする方向)
負債を小さくするということは、それに見合う、資産も小さくしていくということですね。たとえば、不要な資産は売却して、負債を返済していくというようなことです。
あるいは、負債を資本にシフトしていく、たとえばDES(借入金などを資本に振替える=現物出資)などは、典型的な例ですね。
このように、自己資本比率を上げようと思えば、
P/L=損益計算書から、B/S=貸借対照表の資産、負債、純資産、すべてに関わってくるのです。
その総合力の結果、自己資本比率というのは、上がってきます。
もちろん、税金も払った後の利益が、内部留保されていくわけですから、税務対策や節税などもからんできます。
だからこそ、自己資本比率を、常に気にしておく、この比率を○○%にすることを目標にする、というのは非常に優れた目標設定ではないかと思っています。
是非、皆様の会社でも、自己資本比率の目標を決めてみませんか?
編集後記
GWとってもいい天気ですね!
青空が雲1つなく清々しく、暑くもなく寒くもなくと、本当どこか行きたい感じですね。
前半3連休は、残念ながら東京にこもり切りです。
後半も、この天気が続くといいけどなあ...
メルマガ【実践!社長の財務】登録はコチラ
⇒ https://www.mag2.com/m/0000119970.html