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不動産 税金相談室

建築中に相続が発生した場合の評価 【不動産・税金相談室】

建築中に相続が発生した場合の評価 【不動産・税金相談室】

2020.01.03

Q 父親が所有しているアパートについて、かなり老朽化してきているので、今年中に立て直そうと考えています。
ただ父親も相当高齢になってきており、体調もあまり良いとは言えません。万が一建築中に相続が発生してしまった場合には、土地や建物の評価はどのようになってしまうのでしょうか?

A アパートの敷地については、通常は貸家建付地として、おおむね 20%程度の評価減をすることができます。

また、一定の要件を満たせば、小規模宅地等の特例により、上記の評価からさらに最大 200m2まで 50%の評価減をすることができます。

アパートの建物については、通常の場合は、固定資産税評価額をベースとして、そこから貸家として 30%の評価減をすることができます。

このアパートを取り壊して、建て替えている最中に相続が発生した場合には、以下のように評価されることになります。

まず、土地の貸家建付地評価ですが、これは建物が相続発生時に建築中である場合には、原則として貸家建付地評価を行うことができません。
そのため、評価減はなく、自用地評価となります。

ただし、次のような場合は、貸家建付地評価を行うことも可能です。

1.建て替え前の賃借人が、建て替え後の建物に入居することになっている

2.したがって、立退料などの支払いはしていない

3.敷金等の支払いがあり、賃貸借契約が成立済みである

以上のような状況であれば、貸家建付地評価ができる可能性がありますが居住用の場合は、なかなかないのかも知れません。

次に、小規模宅地等の特例ですが、これは下記のような要件を満たせば、評価減を受けることができます。

1.以前から賃貸事業をやっていた建物を建替える場合

2.建築中の建物は、被相続人あるいはその親族の所有にかかるものであること

3.相続した親族が相続税の申告期限まで、その土地を所有し賃貸事業を継続していること

最後に、建築中の建物については、その建物に関して相続発生時までに掛かった費用原価の 70%で評価することになっています。

費用原価とは、建築会社などに支払った額ではなく、相続発生時までに、建物に投下された建築費用の額を、課税時期の価額に引き直した額、とされています。

たとえば、建築工事の請負金額が 5,000万円である場合、進捗率が 40%であれば、5,000万円×40%=2,000万円が、費用原価となります。
その 70%、2,000万円×70%=1,400万円が建築中の建物評価となります。

貸家の 30%評価減は、まだ賃貸していませんので、控除することはできません。

以上のように建築中の場合は、土地建物の評価が変わってきますので、
よく検討した上で、実行するかどうかを決めた方が良いと思われます。

《担当:北岡》

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