実践!社長の財務
ギリギリの一点を探す【実践!社長の財務】第167号
2007.01.15
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
今回の税制改正ではないですが、1月から所得税の源泉税額が変わりますね。定率減税がなくなったこと、そして地方への税源移譲で、所得税が減り、地方税が増えることがその理由です。
したがって、1月の源泉はどのようになるのか、増えるのか減るのか、よく見ておく必要があると思います。
所得税は減るかも知れませんが、その分、地方税が上がるということです。ただし、地方税は後から取られますから、減っても喜んではいられないですね。
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
ギリギリの一点を探す
先週、「経常利益率10%以上を目指す」経営のためには、
「売上を最大にして、経費を最小にする」
「値決めは経営」
の2つを、盛和塾(稲盛和夫塾長)では言っていることを書きました。
今日はその2つ目の「値決めは経営」について、私の考えることをお話します。
値決め、すなわち1個あるいは1単位あたりの販売価格をいくらにするかは、経営にとって最高に重要なことです。
この決め方いかんによって、いくら売っても利益が出ないか、あるいは、まったく売れなくなってしまうか、そのどちらかに行ってしまう可能性があるからです。
これについて稲盛氏は、「実学」という本の中で次のように言っています。
「お客様が納得し、喜んで買ってくれる最大限の値段。それよりも低かったらいくらでも注文は取れるが、それ以上高ければ注文が逃げるという、このギリギリの一点で注文を取るようにしなければならない。」
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このギリギリの一点を探すのが、経営と言ってもいいと思います。
したがって、この一点を見抜いて値決めをするのは、正に経営者の仕事なのです。
この値決め次第で、経営の仕方がまったく変わってくるからです。
高価格路線で、少量を優良な顧客に売っていくのか、価格を抑えて、大衆に大量に売っていくのか...経営のスタイルはまったく変わってきます。
まさに、値決めは経営のやり方を決めることにつながってきます。
私たち会計事務所業界も、今、この渦中に巻き込まれています。
会社法ができ、税法が抜本的に変わっていき、さらにIT、インターネットの進化により、会計事務所の仕事のやり方が根本から変わってきています。
片や高度な税務やコンサルティングで、高い顧問料をいただくスタイルと、ネットの記帳代行のように、月額1万円を切る顧問料が続出している状況を見ると、「値決め」をどうするかで、とても同じ業界とは思えないスタイルになっています。
いわゆる2極分化というのが、どこの業界でもあるのではないでしょうか?
価格をいくらにするかは、本当に難しいことです。
高価格路線、低価格路線のいずれかに決めたとしても、その中でもいくらがいいのか、きっと皆さんも毎日試行錯誤されていると思います。
私もそうです。
このギリギリの一点を探す旅は、経営をやっている限り、永遠に続くのでしょう。宝物を探すようなものですね。
是非、共にすばらしい財宝を見つけましょう!
編集後記
先週からようやく仕事のペースになってきました。
上記の案内にもあるように、当社は賀詞交歓会を、2/1にやります。
まあ、1ヶ月も経ってしまって新年とは・・・?どうかとも思いますが、気にせず、皆様に楽しんで役に立てる会にしたいと思っています。
のんびりしていましたが、これから本格的に準備していかないと...
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