実践!社長の財務
短期的な損得を追うな!【実践!社長の財務】第162号
2006.12.11
おはようございます。 税理士の北岡修一です。
平成19年度税制改正大綱は、今週あたり発表されるんでしょうね。
まあ、内容的には事前に概ね明らかになっていますが、細かいところでは、結構サプライズがあるものです。
近年は発表が多少早くなっているようですが、場合によっては、年内に対処すべきことがあるかも知れません。
ちょっと注意していないといけないですね。
何か特別なことがあれば、このメルマガでも紹介します。
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
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■□ 短期的な損得を追うな!
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先週は、「儲けたお金はどこに行ったか?」ということについてお話をしました。
そして、最終的には、損益計算書上では利益が出ているのに、その分のお金が残っていない、ということが非常に多いのです。
特に成長企業の場合は...
そのお金がどこに行ったのかは、先週の「資金別貸借対照表」でわかるわけです。
しかし、そこから先がさらに重要です。
私は、本当に強い会社・儲かる会社を目指すならば、「短期的な損得を追うな!」と思っています。
たとえ、短期的に見れば損な道を選んだとしても、長期的に良くなる道を選択すべきだと考えています。
こう言うと、皆「そりゃ当然だよ。」と思うでしょう。
でも、その一番最たるものが「税金」です。
短期的に見れば、お金がないのに税金を払うなんて、大変な損です。
できるだけ減らしたいし、できれば払いたくない、と思うでしょう。
だから、いろいろな節税策を取ってしまう。
必要もないものにお金を使ってしまう。
できるだけ利益を上げないように、売上をセーブしてしまう...
これが、長期的に見て、本当にいいことなんでしょうか?
私が言う「強い会社」というのは、端的に言えば、自己資本比率の高い会社です。強い会社というのであれば、自己資本比率50%以上は欲しいです。
自己資本比率とは、 自己資本 ÷ 総資本 ですね。
自己資本とは、簡単に言えば 資本金 + 利益剰余金(内部留保) です。
資本金は、増資をしない限り増えませんから、自己資本を高めていくためには、利益剰余金(内部留保)を増やしていくしかありません。
この内部留保こそ、税引き後の利益の累積なのです。
税引前当期利益 - 法人税等 = 当期利益
当期利益の累積 ⇒ 内部留保
当然、税引き後というは、実際に税金を払った後です。
税金を払わない限り、内部留保は貯まらないし、結果的に強い会社にならないのです。だから、何としてでも税金を払う必要があるのです。
それもたくさん...
こんな簡単なことが、その場になるとわからないんですよね。
できないんです。多くの社長が...
これが、短期的な損得を追わず、長期的に良くなる道だというのに。
もちろん、お金がないから、税金を払うのは大変です。
でもそこを何とかして払う。銀行からお金を借りてでも払う。
できるだけ資金繰りが良くなるように、時間をかけて財務体質を改善していく。
その内に、自己資金から税金が払えるようにしていく...
この積み重ねでしか、強い会社を作ることはできないんだ、と私は思います。いろいろな会社を見てきた経験上。
編集後記
私は立教出身なんですが、本日は、その立教OB・OGによるセントポール生活文化研究会のクリスマス・パーティーがあります。
通称SB会と言っているのですが、不動産業を中心にした立教卒業生によるビジネス交流会です。
この会がまたすごくて、120人、160人、200人と毎年参加者が相当増えてきています。同窓というだけで、最初から信頼関係・親しみがあるんですね。だからビジネスにも発展しやすい・・・なかなか面白いですよ。
本日18:30~「椿山荘」ギャラクシーにて。
立教出身の方いたらぜひ飛込みでどうぞ!!
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