実践!社長の財務
本当の利益とは?【実践!社長の財務】第157号
2006.11.06
おはようございます。税理士の北岡修一です。
ちょっと前の新聞でしたが、新会社法により新しくできた「合同会社」(LLC)の設立が7月までで1,000社を超えている、さらにその後も増え続けている、というような記事が出ていました。
3ヶ月で1,000社ですから、決して多くないのかも知れませんが、意外にできているんだな、という気がしました。
というのも、私の回りではほとんど、LLCは作られていないからです。
LLCは、前の有限会社みたいなもののようで、簡単に安く設立できるのですが、株式会社も最低資本金がなくなり簡単に設立できるものだから、新会社は皆、株式会社にすることが多いですね。
むしろ、新聞に出ているように、大企業がちょっとした事業を、LLCでやったり、期間限定の事業をLLCでやるような、そんな例が多いのかも知れません。
でも、いずれ株式会社の決算公告が厳しくなってきたら、LLCが、中小企業にも増えていくかも知れませんね...
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
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■□ 本当の利益とは?
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先週は、在庫の失敗談をお話しましたが、今週も在庫に関する話。
月次決算などにおいて、在庫をどのように見るか?
これについて、以前行ってきた「京セラ会計」のセミナーにおいて非常にためになる話を聞いてきました。
一部、皆様にもお伝えしたいと思います。
「京セラ会計」では、在庫は資産と見ず、本当の利益を見て経営をする、という考えがあります。
一般の会計と比べると、次のような違いがあります。
《一般の会計》 《京セラ会計》
売上高 10,000 売上高 10,000
月初在庫 2,000 当月仕入 8,000
当月仕入 8,000 ──────────
月末在庫 ▲4,000 ⇒ 粗利益 2,000
売上原価 6,000 経 費 3,000
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粗利益 4,000 ⇒ 本当の利益 ▲1,000
経 費 3,000 在庫の増 +2,000
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当月利益 1,000 会計上の利益 1,000
左右の違いがおわかりでしょうか?
すなわち、京セラ会計学では、在庫は考慮しないところで、本当の利益を見るのです。一度仕入れたものは、販売しない限り、キャッシュにはなりません。
販売して初めて利益になるのです。
だから、在庫は仕入れた時点で、経費です。
いわゆるキャッシュフローで利益を見ろ、ということです。
当然、会計の世界では、左側が原則です。在庫があれば、その分は仕入から控除します。すなわち、利益になるのです。
(そうしないと、税務署が否認してきますからね...)
一般の会計=税務会計、制度会計 をやっている限り、キャッシュフローベースの本当の利益を実感することができません。
キャッシュベースで計算した利益は赤字であるにもかかわらず、一般の会計では、利益が上がっているので、安心してしまうのです。
これは怖いことですね。
キャッシュフローが大事と頭でわかりながらも、やはり出てきた資料を見て利益が出ていれば、それが頭に刷り込まれていきます。
経営者が見る会計は、本来右側の見方をしておかないといけない、経営者独自の会計の見方をしておかないと、いけないのです。
たとえ、在庫を増やす理由があっても、本当の利益を赤字にしてはいけない、ということです。厳しいですけど、これが本当の経営会計ですね。
この厳しい数字を見て、それでも絶対赤字にしない、黒字になる経営を続けていく、これが強い会社になっていく秘訣だと思います。
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■日時:
平成18年11月21日(火)
15:30~18:00(15:00開場)
■場所:
西新宿「住友不動産オークタワー1F ROOM1」
お申込み後詳細送ります。
■講師:
東京メトロポリタン税理士法人
代表社員/税理士 北岡 修一
システムコンサルタント 榎本 孝史
■参加料金:
7,000円
→詳細・お申込みは : https://www.tm-tax.com/seminor1/topics.cgi
編集後記
今週金曜日11/10は、広島に行って「新会社法・超活用法」セミナーをやります。
OBCさん主催の奉行フォーラムの中でやるのですが、
リーガロイヤルホテル広島 4Fクリスタルホールで、14:30~15:30
お近くの方いらっしゃいましたら、是非、覗いてみてください。その際は是非、お声がけください! 参加費は無料です。
◆詳しくはこちらから⇒ http://www.obc.co.jp/f2006/hiroshima/index.html
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