実践!社長の財務
何がおこるかわからない【実践!社長の財務】第490号
2013.03.25
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
2013年度の税制改正法案が、先週22日の衆院本会議で可決されました。
今週は、参議院で審議されますが、第1党の民主党も賛成する方向で、今年は3月末までにスムーズに成立しそうですね。
今週で、年度末終了です。追い込みの方、頑張ってください!
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
何がおこるかわからない
先週は、内部留保を作った方が勝ち、というような話をしました。
一生懸命売上を上げ、経費を抑え、結果として利益を出し、
ムダな税金を払わない努力はするが、最終的に出た税金はきちっと払う。
そうしていくと、内部留保が貯まり、それに見合う現預金も貯まっていきます。
そんなことをして、内部留保を貯め、現預金を貯めていくといい、というお話していると、
「そんなに貯めてどうするの?」と言う方が、たまにいらっしゃいます。
それだけ税金を払って、内部留保を貯めていくくらいなら、もっと使って、会社を成長させた方がいい、ということです。
もちろん、会社の成長のための投資はすべきでしょうが、税金を減らすために、無理やりやる必要はないと思います。
そのような動機が先行していると、税金も少なくなる代わりに、リスクも高いのでは? と思います。
内部留保を貯めていくのは、会社は何がおこるかわからないから、というのが大きな理由です。
本当に何がおこるかわかりませんね。
先日も、建設業関連の会社で、一時期の不況や大きな損失を脱して、ようやく水面上に浮上しかけた矢先に、
メインの得意先が倒産し、5,000万円もの貸倒れを起こしてしまった会社があります。
社員10人以下でやっている会社ですから、この5,000万円は非常に大きいです。
内部留保はようやくできかけたところだったので、余裕はありません。
今は、仕入先、外注先に協力を得ながら、何とかしのいでいますが、まだまだ予断を許さない状況です。
このような急な貸倒れや、リーマンショックのようなことやはたまた、東日本大震災のような自然災害、本当に何がおこるかわかりません。
リーマンショックの時は、売上が半減したところや、製造業では、1/10になってしまった、なんてところもありました。
そんな時に、内部留保があるか、ないかで、天と地ほどの差があるのです。内部留保がなければ、あっという間に倒産ししていまいかねません。
たとえ売上がなくなっても、1年や2年、社員の給料を払っていける会社と、1ヶ月でももたない会社では、経営の安定性・安心感は、まったく違うのです。
経営者の満足のために内部留保を貯めるのではなく、社員のため、お客様のために、会社が継続していけるように、安心してやっていけるように、内部留保を貯めていくのです。
ちょとやそっとではつぶれない、しぶとい会社が、本当に強い会社と言えるのではないでしょうか。
編集後記
昨日はもう桜満開でしたね。今週末にお花見の予定もありますが、果たして持つのでしょうかね...。
今日は神戸の方へ出張行ってきます。
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