実践！社長の財務

利益・資金一致の追求【実践！社長の財務】第152号

2006.10.02

おはようございます。税理士の北岡修一です。

税制改正の論議が活発になってきましたね。

今年は、減価償却の問題がメインに取り上げられています。
９５％までしか償却できない（５％は備忘価額として残す）のを、１００％まで償却できるようにしよう、ということが主です。

それもいいけど、もう少し耐用年数を短くして欲しいですね。
物理的耐用年数以上に、ビジネスの場合は、経済的耐用年数が大事だと思うのですが。

諸外国からみても、日本の耐用年数は長いようです。
　
　
ということで、本日も「実践！社長の財務」いってみましょう！

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■□　　利益・資金一致の追求
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「利益は上がっているのに、お金がない。」という会社は、非常に多いと思います。

「勘定合って、銭足らず．．．」「黒字倒産．．．」というのもこの類です。

なぜかは、バランスシートやキャッシュフロー計算書を見るとわかるのですが、気持ち的には納得できないものが残りますね。

特に、成長している会社ほど、お金がありません。

売上が増えれば、当然、売掛金も増えます。
その分、買掛金や未払金も増えますが、売掛金の方がたくさん増えるのが常です。

さらに、在庫や仕掛りも増えます。
当然ですね。どんどん売上が上がるのですから、仕込んでおかないと売り逃しが発生してしまいます。

先行して、人も増えますし、人が増えれば経費も増える、拠点も増える、備品も増える．．．

とにかく、成長している会社は、もの要りです。

お金が足りないのは、当然なのです。

しかし、それではいずれやっていけなくなってしまいます。

当然、借入金や増資、将来性が見込まれれば、外部からの出資の打診が来たりします。

もちろん、こういった資金調達もいいのですが、その前にやることがあります。

　
それが、本日のタイトルの「利益・資金一致の追求」です。

読んで字のごとく、利益と資金を一致させるような経営、を追求していくことです。

この努力をしていない会社が、凄く多いような気がします。

すなわち、「現金商売を目指せ」ということですね。

まずは、回収です。できるだけ早く売上を回収する、努力・工夫を考えます。

前金、ＣＯＤ（現金引換え・代引など）ができないか？

売掛金が早く入金される工夫はできないか？

たとえば、請求書に「○日までに、お振込みください。」と書くだけで、何割かはその通り払ってくれるようになります。

また、初回取引の時に、入金日をギリギリまで交渉して、早期入金を獲得します。

当月分を、当月中に支払って欲しければ、前月末に請求書を発行します。１０月分は、９月末で発行するということです。

自動引き落としを、お願いします。（もちろん、早期回収で）

さらに、前受金の交渉をします。半分先に払ってもらう方法もあります。
多少長めの仕事をする場合は、必ず交渉しないといけないことです。
　
弁護士や私たちの商売は、着手金などをもらったりします。
それにより、先方も本気で取り組むというメリットもあります。

また、支払いの方も工夫が必要です。

すなわち、できるだけ遅く払う、ということですね。
これも交渉になります。

ただし、支払い先は、協力会社でもありますから、遅くすればするほど、いいという訳ではありません。
支払いが遅いために、仕事が雑になったり、優先順位の低い取引先と思われては困るからです。

この場合の考え方は、「入金よりも後に払う」ということです。

そのような、支払いサイトを設定します。
入金が翌月末であれば、翌々５日とか１０日に支払日を設定します。

これであれば、協力会社にも説明ができますよね。
協力会社も前向きに協力してくれると思います。

その他、利益を資金と一致させる工夫は、いろいろあると思います。

業界の慣習に流されず、いろいろ考えてみることです。

業界の慣習にとらわれて、それが当たり前だと思って、何も手を打たない．．．そういう会社が凄く多いんですね。

是非、いろいろ考えてみてください。

また、既にいろいろやっている方、是非、どのような工夫をしているのか、教えていただけませんか？

参考になる事例であれば、よろしければ皆様にもご紹介しますので。

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