実践!社長の財務
まずは、内部留保を貯めていくこと【実践!社長の財務】第139号
2006.07.03
おはようございます。税理士の北岡修一です。
今年は早くから税制改正論議が盛り上がっていますね。
いつも抜本改革といいながら、押し迫らないと本格的な討議ができない、結果、抜本改革とはとても言えないものとなっている...
是非、今年以降は、税制がどうあるべきなのか、抜本改革を示して欲しいものですね。
これからの税調議論に注目です。
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
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■□ まずは、内部留保を貯めていくこと
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先々号で、私どものミッションとして、次のような項目を上げました。
1.会計を良くすると、会社が良くなる!
2.数字を公開すると、会社が元氣になる!
3.税金を払わないと、内部留保が貯まらない!
今日は、この3番目についてお話します。
「税金を払わないと、内部留保が貯まらない!」
これについては、このメルマガでは、もう何度も言っているかも知れません。(またかと思っても是非、お読みください)
内部留保を貯める、ということは、最終的には「キャッシュを貯める」ということになります。
キャッシュを貯めていくと、会社は万能になってきます。
いろいろな手を打ちやすくなります。
お金を心配しないで、戦略立案、ビジョンの追及に専念できるようになります。
お金の心配をせずに、余裕の経営ができるわけですね。
中小企業にとっては、是非、このような状況を目指して欲しいのです。
そのためには、税金を払って払って内部留保を貯めていかないといけません。
一見、税金を払うと、キャッシュがなくなるような気がします。
でも、本当に儲かっている会社であれば、税金を減らそうとしたら、どこかの段階で必ずキャッシュアウト(現金の流出)が伴ないます。
節税=キャッシュアウトです。
たとえば、100の利益が出た場合、節税のため50の経費を使ったらどうなるでしょうか?
<例>
★節税した場合
節税前利益 100
節税経費 ▲50
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節税後利益 50
税金(40%) ▲20
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節税後現金 30
★節税しない場合
利益 100
税金(40%) ▲40
────────────
納税後現金 60
上記のように、明らかですよね?
節税しない方が、現金はたくさん残ります。
したがって、無理に節税のための現金など使わない方がいいわけです。
無理矢理考えた経費に、あまり会社のためになるものがあるとは思えません。
この納税後の利益が、内部留保になってくるわけです。
まずは、この内部留保を、投下した資本金の10倍を目指して積み上げてください。
そのくらいを、目標にしてください。
そうするとすごい会社になりますよ。
自己資本比率も、最低でも50%以上、場合によっては80%以上になってきます。
これは、強い会社になりますね。
銀行からお金を借りる必要はないかも知れませんが、
銀行から、「借りてくれ、借りてくれ。」状態になるでしょうね。
いろいろな事業展開ができるようになります。
決算になって、「法人税を払いたくない、何とかしてくれ。」
なんていうのは、器の小さい経営者ですよ。
目先しか見ていない経営者です。
なぜ、税金が払いたくないのか...?
単純に税金はもったいないと思っている人と(ちょっとレベルが低い!)
納税資金がない、という場合があります。
後者の場合は、よくありますね。その気持ちはわかります。
税金を払おうにも、仕入れ資金や、運転資金、事業拡大資金にお金がまわってしまっているので、手元現金がないのです。
この対策は、普段からキャッシュを増やす経営をしていくしかないですね。
すなわち、
・回収を以下に早くできるか、
・在庫や、先行支出などをいかに減らせるか、
・できるだけ、資産を保有しない経営をすることができるか、
・支払いは、資金繰りに応じた無理のない支払いができるか...
・いかに経費をすくなく経営できるか...
など、普段の経営から、手元キャッシュを増やすよう、B/Sとにらめっこしていくのです。
そのようにして、キャッシュを増やす努力をしていくしかありません。
期末だけの節税に頼っていては、内部留保を貯めることはできないのです。
税金を払うことは、社会への貢献であり、
それ以上に、「自社の成長のため」であることを、よく認識して経営をして欲しいと思います。
決して私は、税務署の回し者ではないですからね!(笑)
編集後記
巨人、やっと連敗脱出しましたね...
それにしても、視聴率下がっているところに、この連敗じゃあ、巨人戦は、ゴールデンタイムのお荷物になってしまいそうですね...
正直、私も見たいと思わなくなってきたし。
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