実践!社長の財務
利益処分案がなくなる!→株主資本等変動計算書に【実践!社長の財務】第123号
2006.03.13
おはようございます。税理士の北岡修一です。
会社法もだんだん施行の日が近づいてきましたね。
そろそろ具体的に決断することも出てきており、いよいよという気がします。
3月決算の株主総会は、現商法か、新会社法でやるのか、迷うところではないでしょうか?
これについては、4月中の取締役会で、株主総会の開催日時、場所を決議した場合は、現商法で、
5月以降の取締役会で、株主総会の開催日時、場所を決議した場合は、新会社法で行なう、
という取扱い&解釈が出ています。
できれば、今年は旧商法でやった方が、間違いがなくていいかも知れません。
その節は、是非、4月中の決議をお忘れなく!
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
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■□ 利益処分案がなくなる!→株主資本等変動計算書に
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今まで決算書の1つとして、利益処分案を作っていましたが、新会社法に伴なう会計基準の変更により、利益処分案がなくなります。
えっ! そんな簡単になくなっていいの...?
と、思われるかも知れませんが、
その代わりに、「株主資本等変動計算書」を作ることになります。
ずい分長ったらしい名前で、覚えにくいですね。
先週、資本の部が純資産の部になって、その中の表示がずい分変わる、というお話をしました。
その純資産の中に、1.株主資本 というのがありましたが、その変動状況を表わすのが、「株主資本等変動計算書」です。
株主資本等 変動 計算書 と分けて見ると覚えやすいですね。
語句のとおり、株主資本等の、変動を表わす、計算書です。
でも、実は「純資産の部全体」の変動を表わす計算書なので、「純資産 変動 計算書」の方がわかりやすいと思いますけどね。
では、どんな計算書かと言うと、イメージを下に書いてみましょう。
<株主資本等変動計算書>
→ 純資産の部の項目が横に並ぶ
資本金 資本準備金 — 利益準備金 — 繰越利益剰余金 — 純資産合計
前期末残高 xxx xxx xxx xxx xxxx
当期変動額
新株の発行 xxx xxx xxx
剰余金の配当 xxx △xxx △xxx
当期純利益 xxx xxx
・・・
当期末残高 xxx xxx xxx xxx xxxx
この図、意味わかるでしょうかね?
純資産の部の項目が、横にズラーッと並んで、縦には、前期末残高から始まって、期中の変動があり、最後に、当期末残高が一番下に計算される、という表です。
まさに、純資産の変動を表わす、マトリックスの表なわけです。
何で、こんなに詳細に純資産の変動を表わす必要があるのでしょうか?
それは、「純資産の変動が、期中いつでもできるようになる。」からです。
たとえば、配当。
(利益の配当ではなく、今後は「剰余金の配当」といいます)
これは、今まで年1回の利益処分で、配当を決定するのが基本でした。
それが、今後は、株主総会の決議でいつでも、配当することができるようになります。
四半期決算なども、一般的になってきましたから、四半期ごとに配当する、なんてこともできるようになります。
ただし、注意するのは、純資産が300万円を切ったら、配当できない、ということです。
また、資本金の増減などは、企業の裁量でかなり自由にできるようになる、
資本金や準備金、剰余金間の金額の増減も、株主総会の決議で、より自由に行なえるようになります。
このように、期中に純資産の部が、いろいろ増減する可能性があるため、このようなちょっと複雑な「株主資本等変動計算書」が作られるようになるのですね。
ただし、一般の中小企業では、それ程、純資産の部が変動することはないでしょう。
ですから上記の表も、金額が入ってくるところは毎期決まってきますので、難しいことはありません。
今、会計ソフトメーカーが一生懸命開発してくれているでしょうから、実務的な問題はあまりないと思います。
経営として大事なのは、この純資産をいかに増やしていくか、自己資本比率をいかに高めていくか、ということの方がよっぽど重要ですね。
利益処分案がなくなるということで、では、役員賞与はどうなるのか..?
・・・いろいろ変わってきています。
それは、来週お話します。
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編集後記
株主資本等変動計算書を、テキストベースで表わすのは、難しいですね...
本物どんなものか見たい場合は、株主資本等変動計算書でネット検索してみてください。いろいろ出てきますよ。
何かわからなければ、まず、「ネットに聞く」!
本当、これで十分いろんなことがわかりますね。
ホント便利な時代です。
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