実践!相続税対策
自筆証書遺言書の保管制度スタート【実践!相続税対策】第444号
2020.06.24
皆様、おはようございます。税理士の北岡修一です。
コロナ騒動で忘れられているかも知れませんが、来月7月10日より、自筆証書遺言書の保管制度がスタートします。
この制度は、平成30年の民法改正により設けられた制度であり、昨年1月からの自筆証書遺言の書式の改正なども踏まえて、遺言の作成・保管・執行が、やりやすくなってきます。
この保管制度は、自筆証書遺言が、紛失したり、書式の不備のため無効になったり、破棄や改ざんが行われたりすることを、防止するために設けられたものです。
公正証書遺言もありますが、それに比べれば簡易に安価に、作成・保管できることになります。
具体的には、まず自筆で遺言書を作成します。
下記の法務局のサイトに、様式や書き方の具体例が掲載されていますので、それを参照してください。
財産目録をパソコンで作ったり、預金通帳のコピーや不動産の登記簿謄本を添付したりすることもできます。
その上で、遺言の保管申請書を作成し、保管してくれる法務局に、予約をします。
この保管制度の各種手続きは、事前予約が原則となっています。
予約は、7月1日から可能になるようです。
保管してくれる法務局は、下記法務局のサイトに載っています。
どこの法務局(出張所)でもいいというわけではなく、東京都の場合などは、次の場所が指定されています。
本局、板橋出張所、八王子支局、府中支局、西多摩支局
保管の申請には、遺言書や申請書のほか、本籍地記載のある住民票、本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証)が必要となります。
また、保管手数料は、1通につき3,900円です。
保管の申請が終われば、保管証が交付されます。
この保管証があれば、遺言書の閲覧、保管の撤回、変更の届出をするときに便利です。
また、相続人等が遺言書情報証明書などの交付の請求するときにも使えますので、大切に保管してください。
保管申請した遺言書の内容を、変更する場合は、一旦保管の撤回をして、再度、変更後の遺言書を保管申請することになります。
相続がおこった際には、相続人が、遺言書が保管されいるかどうかを確認する「遺言書保管事実証明書」を申請したり、
遺言書の内容を確認する「遺言書情報証明書」の交付を申請することができます。
この証明書により、相続登記や預金・証券等の相続手続き、相続税の申告などをすることができます。
なお、相続人等が証明書の交付を受けると、他の相続人等に対して、遺言書を保管している旨を法務局から通知することになります。
以上、これから新しく始まる制度ですので、内容をよく理解した上で、自筆証書遺言書を作る場合には、活用されると良いと思います。
詳しくは、下記法務省のサイトをご覧ください。
→ http://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html
編集後記
まだまだ新規感染者はありますが、これも経済を再開する上では乗り越えなければいけないハードルなのかと、思います。
大分、仕事や外へ行っての活動も増えてきているようですが、感染予防には十分気をつけたいですね。
その上で、本日の自筆証書遺言の保管制度など、やるべきことは計画立ててやっていかれることをお奨めします。
相続クラブの会員の皆さまは、不明な点など是非、お問い合わせください。
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