実践!社長の財務
やはり企業は人なり【実践!社長の財務】第641号
2016.02.15
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
いよいよ今週から確定申告の時期ですね。税務署行くと混みますから、できるだけ電子申告あるいは、国税庁のホームページで申告書を作成して郵送、というのがお奨めです。どんどん国税庁のHPも進化していますから、便利になっていますね。是非、今年は活用してみてはいかがでしょうか?
ということで、本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします。
やはり企業は人なり
先日、10数年前に経理のアウトソーシングで関与していたお客様から連絡がありました。
相談があるとのことで言ってきたのですが、当時は業績が良かった会社が、何と債務超過に陥ってしまっていたのです。
久しぶりに見る会社は懐かしく、どうなっているのか興味がありましたが、ちょっと愕然としましたね。
売っている商品や、販売先はそれ程変わらないのですが、売上が当時の30%~40%も減ってしまっています。
これだけ減れば、相当体質を変えていないと黒字確保は難しいですね。案の定、毎月大きな赤字を出しており、何とかしなければ危ない、という状況です。
でも、本社ビルや工場も変わりませんし、社員数も多少は減ったもののあまり変わっていないようです。
変わったのは、正社員が少なくなって、パートやアルバイトが増えていたことです。
当然、売上が減れば経費も減らしていかないと、利益を出していくことはできません。
ところが、売上がこれだけ減っているのに、販管費はちょっとは減ってはいるものの、10数年前とあまり変わらないのです。
売上の減少に伴って、経費を減らしていくのは相当に難しい、ということです。
リストラをしたかどうかは、わかりませんが、正社員を減らして、パート社員などに代替していくことにより、固定費の削減をしたようです。
ただ、正社員とパートでは判断業務などにおいては、大きく戦力が減退してしまいます。同社の売上がこれだけ減ったのも、どうも正社員が行っていた小まめな営業努力が行われなくなり、それが響いているように思われます(一部社員にヒアリングしたところ)。苦しくなってきたからと、安易なリストラは、このような結果を招いてしまうことがあります。
また、正社員がいなくなった分、外注費が増えてしまったり、仕入れ値が上がってしまったり、トータルのコストは、売上が減ったのに変わらない、という結果になってしまいます。
固定費は増やさない、売上が減れば固定費を見直すことは大事ではありますが、変動費も含めたトータルの経費を減らしていくことが大事ですね。
固定費が減っても、それを賄うための変動費が増えたのでは、減ったことにはならないからです。
また、固定費というのは会社の基礎的な力になるものも含まれていますから、その中身をよく吟味して手を付けていかなければいけません。
短期的には固定費を減らせば利益は出ますが、長期的に会社の力を落としてしまうような固定費削減は、しないようにしなければいけませんね。
今回、正社員の減のことを書きましたが、やはり企業は人だなということを、つくづく思いました。
編集後記
先週末、妻の父親が92歳で亡くなり、妻の実家に帰っていました。義父は明るくて人気者だったため、身内だけで葬儀をやるつもりが近所からも多くの人が来てくれ、賑やかで楽しい葬儀になりました。なかなか東京ではないような葬儀でしたが、葬儀にも人柄が表れているようで、いい葬儀でしたね...。
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