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役員退職慰労引当金を考える【実践!社長の財務】第884号

役員退職慰労引当金を考える【実践!社長の財務】第884号

2020.10.12

中小企業、特にオーナー系の企業にとって最大の債務とは何でしょうか?

それは、創業オーナーの退職金です。

もちろん、もっと多額の借入金を借りている場合もあるでしょうが、普段あまり意識していないので、計算してみるとインパクトは思った以上に大きくなることが多いです。

役員退職金については、役員退職慰労金規定などがある場合は、本来は負債の部に計上する必要があります。

ただ、中小企業では計上していないことが多いですね。

規定がない場合も多いですし、規定があっても、損金になるわけではないので、計上していない、ということもあるかと思います。

また、あまり表に出したくない、というのもあるのかも知れません。

会社は、創業オーナーが退職しても、継続していくことが前提です。

少しずつでも会社を成長発展させようと思い、社員を雇って経営をしている社長であれば、自分の後も継続していくことを前提に、経営をしている方がほとんどでしょう。

そうであれば、役員退職金についても真剣に考えておく必要があります。

やはり一番多いのは、生命保険で退職金を準備しているケースです。
逓増定期保険などで、1/2損金、1/2は保険積立金として資産の部に計上しているような場合です。

この場合は、1/2の部分は損金になっており、簿外に積み立てていることになります。

この場合であっても、資産に積み立てている保険積立金は、いずれは役員退職金として出ていきますので、その見合いとして役員退職慰労引当金に積み立てておくべきです。

現在のB/Sを見て、自己資本比率がそれなりに高いと思っていても、実は役員退職慰労金を計上すると、それ程高くない、というようなことが多いかも知れません。

そうなると、経営判断も見誤ってしまう可能性がありますね。

そうならないよう、将来確実に見込まれるものは、引当金をしっかり積んで、厳しく見ておいた方がよいと思いますが、いかがでしょうか?

編集後記

先週末は台風も近づき、ちょっと寒かったですね。気が付いてみればもう10月も中盤に差し掛かっていますので、今年もあと2カ月半というところ。コロナに翻弄されあっという間に時が過ぎていった感じです。まだまだ感染者は収まっていませんが、最大の注意を払いつつも、最近はコロナの意識が占める割合は少しずつ下がってきた感じがしますね。

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