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実践!相続税対策

相続税の障害者控除とは?【実践!相続税対策】第464号

相続税の障害者控除とは?【実践!相続税対策】第464号

2020.11.11

皆様 おはようございます。
税理士の稲吉茂です。

今回は、相続税申告における障害者控除について考えていきたいと思います。

相続税における障害者控除は、所得税の障害者控除と異なり、税額控除となっています。

すなわち、税金本体から差し引くことができるので、税額を抑えられるという特徴があります。

相続税の障害者控除を受ける場合は、以下に掲げるすべての要件を満たしている必要があります。

・相続や遺贈で財産を取得した時に、国内に住所がある人
・相続や遺贈で財産を取得した時に、障害者である人
・相続や遺贈で財産を取得した人が、法定相続人であること

また、障害者控除を適用するためには、障害のある相続人が、少しでも相続財産を取得する必要があります。

次に、障害者控除額について見ていきます。

障害のある相続人の方が、満85歳までになるまでの年数1年につき、一般の障害者ですと10万円、特別障害者ですと20万円を乗じて計算した額となります。

たとえば、障害のある相続人が50歳の場合は、次のようになります。

・一般の障害者(85-50)×10万円= 350万円
・特別障害者 (85-50)×20万円= 700万円

この金額を、相続税の額から直接引くことができますので、大きいですね。

ちなみに特別障害者とは、たとえば身体の障害なら身体上の障害の程度が2級以上の方を指します。

精神の障害なら障害等級が1級の方を指します。

年数の計算に当たって、1年未満の期間があるときは切り上げて1年として計算します。

仮に、障害者控除額が、障害のある相続人本人の相続税額より大きいため、控除額の全額を引ききれない場合は、

その引ききれない部分の金額を、その障害のある相続人の扶養義務者の相続税額から差し引くことができます。

扶養義務者とは、配偶者、直系血族および兄弟姉妹の他、3親等内の親族のうち一定の者をいいます。

かなり範囲は広いですね。

一方、この障害者控除には注意を要する点があります。

それは、一次相続で障害者控除を適用すると、二次相続では適用できないか、適用できるとしても控除額が小さくなる点です。

障害者控除は、相続人の方のプライバシーに係わるところですが、控除できる額が大きいため、漏らさずに適用したいものです。

編集後記

早くも11月。今年は昨年までと違い、新型コロナの感染予防対策で右往左往しながら1年が終わっていきそうです。
秋が深まって外の空気が乾いてくると、インフルエンザを始めとする、毎年発生するウイルス性疾患が本格的に流行し始めます。
コロナも怖いけどインフルエンザもかかるとなかなか怖いもの。うがい、手洗い、マスクの着用といった普段からできる予防には常日頃から心がけていきたいですね。

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