実践!相続税対策
空き家の3,000万円控除を再確認【実践!相続税対策】第466号
2020.11.25
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
相続した空き家の譲渡については、何度かこのメルマガで書いています。
最近でも、質問が非常に多いので、久しぶりに確認しておきたいと思います。
特に、空き家譲渡の3,000万円控除についてです。
最近多いのは、兄弟で取得した場合、それぞれ3,000万円控除が受けられるのか、ということです。
結論としては、それぞれ譲渡益から、3,000万円を控除することができます。
親が住んでいた家が、相続後空き家になることが確実で、売却するしかない、というような場合、たとえば兄弟2人で相続すれば、譲渡益から6,000万円控除することができます。
ただし、兄弟それぞれが、土地と建物ともに相続した場合に限られます。
あまりないかも知れませんが、片方が建物、もう一方が土地を相続した場合は、3,000万円控除が受けられなくなりますので、注意してください。
また、相続直前まで被相続人が1人で住んでいたこと、同居者がいなかったことが、条件となっています。
なお、2019年度税制改正で、老人ホームに入居した場合でも、その後貸付の用に供されていないことなど、一定の要件を満たした場合は、対象になることになりました。
さらに相続した後も、一時的にでも誰かが住んだり、賃貸した場合は、適用を受けることができませんので、この特例を使うのであれば、一切の利用をしないことが重要です。
その他にも、次のような要件があります。
・昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
・譲渡価額が1億円以下であること
(この譲渡を何回かに分けて行う場合は、その合計で判定します)
・相続の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡すること
・現行の耐震基準に適合したリフォームをして譲渡すること
・耐震リフォームをしない場合は、建物を取り壊して更地として譲渡すること
・親子や夫婦など「特別な関係がある人」に対して譲渡したものではないこと。
以上のような要件を満たすことにより、1人3,000万円の控除ができるわけですから、しっかりと確認しておくことが大事です。
編集後記
直前ではありますが、今週28日(土)「東京都空き家フォーラム」に相談員として、参加しています。
https://www.nexteyes.co.jp/event/202011bunkyo/
空き家問題や、相続、不動産についてご相談ある方は、上記を見ていただき、是非、いらしていただければと思います。
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