実践!相続税対策
教育資金贈与の2021年度改正【実践!相続税対策】第470号
2020.12.23
おはようございます。
税理士の宮田雅世です。
先日、2021年度税制改正大綱が発表されました。
相続税に関係するものとして、教育資金の一括贈与や、結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置についての見直しがありました。
今回は、教育資金の一括贈与制度の見直し部分を見ていきたいと思います。
教育資金の一括贈与は、相続税対策として、すでに利用されている方も多いと思います。
30歳未満の子や孫の教育資金として、1,500万円まで非課税で贈与できる制度です。
2013年から創設された教育資金の一括贈与制度は、その後、延長を繰り返し、2021年3月31日までの期限が、今回の税制改正でも2年間の延長が決まり、2023年3月31日までとなりました。
ただし、条件が厳しくなります。
現行、子や孫が教育資金の一括贈与を受けて、教育資金として使いきれなかった部分について、贈与者が贈与から3年以内に亡くなってしまった場合には、子や孫の相続財産に加算されていました。
この贈与から「3年以内に死亡した場合」の制限が取り払われます。すなわち、贈与者が亡くなったときに、教育資金として使い切れなかった残額は、常に相続財産に加算する、ということです。
また、通常、孫が相続する場合は、相続税が2割加算されます。
この規定は、相続により財産を取得した相続人が、配偶者、親、子以外(代襲相続人を除く)の場合には、その相続人の相続税を2割加算するというものです。
ただし、教育資金の一括贈与においては、3年以内の贈与に限って残った財産に対して相続税が課されるものの、孫に対しても、この2割加算は適用されていませんでした。
今回の税制改正では、孫への2割加算も適用となります。
この条件が適用されるのは、2021年4月1日以降に、この制度を利用して贈与する場合です。
ただし、子や孫が23歳未満である場合や、在学中の場合は、相続財産への加算や、相続税の2割加算の対象外となります。
多少条件は厳しくなったものの、まだまだ十分使える制度かと思います。まだ、利用されていない方は、検討してみてはいかがでしょうか?
編集後記
オフィスビル周辺はクリスマスイルミネーションで彩られています。
光輝くイルミネーションも、今年は寂しく感じますね。
来年こそは、よい年になることを願うばかりですが、自分自身も成長できるような年にしていきたいと思います。
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