実践!社長の財務
経営のための利益の計算式【実践!社長の財務】第473号
2012.11.26
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
11月も最後の週です。いよいよ来週からは12月。
12月と言えば、我々の業界は、税理士試験の合格発表があります。今年は12月7日です。毎年のことですが、悲喜こもごもの年末になりそうですね。
それに合わせて、この業界の採用活動も活発になってきます。
弊社も、資産税業務の経験のある方などを、募集しています。
ある採用サイトでの掲載を、昨日から始めました。
もし、ご興味のある方いらっしゃいましたら、是非、ご応募ください。
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
経営のための利益の計算式
あるセミナーで話したのですが、経営のための利益の計算式、というのを紹介しました。
次のようなものです。
売上高×粗利益率-固定費 = 利益
特別変わった式ではないですね。
売上に粗利益率を掛ければ、粗利益が計算され、
そこから固定費を引けば、利益が出ます。
粗利益とは書いていますが、変動費を引いた限界利益と、考えていただければいいです。
特に製造業の方は。
でも、限界利益というと、いきなりわからなくなりますので、一般的には粗利益でいいのではと思っています。
ちなみに、粗利益というのは、売上から仕入などの売上原価を引いた利益です。
売上高-売上原価=粗利益
粗利益÷売上高=粗利益率
なぜ、上記が経営のための利益の計算式なのでしょうか?
それは、利益は、上記の3つの要素で決まってくるので、経営者は、その3つの要素を良くすることに、力を入れていかなければ、ならない、ということだからです。
その3つの要素とは、売上、粗利益率、固定費、です。
利益を上げるためには、固定費を上回る粗利益が必要です。
そのためには、可能な限り、固定費を減らすことです。
固定費を、可能な限り、増やさないことです。
固定費の水準が低ければ低いほど、利益は出やすくなります。
高い利益を出すことが、可能になります。
固定費は、気を抜くとすぐに増えてしまいます。
ですので、常時固定費を減らす、増やさない努力が必要なのですね。
これが、まず1つ。
そして、次に粗利益率を高めること。
粗利益率を1%高めることができれば、これはそのまま利益になりますから、ものすごい効果があります。
10億円の売上があれば、1,000万円の利益が増えることになります。しかも、一旦利益率を高められれば、継続していける可能性が高いですから、毎年積み重ねれば、ものすごい内部留保ができてきます。
粗利益率を高めるには、仕入をいかに抑えるかです。
「利は仕入にあり」とは、よく言われる言葉ですが、正に利益の元は、いかにうまい仕入ができるかにかかっているのです。
そのためには、いい仕入先を確保できるか、仕入先との関係を、いかに良好にいい関係に保っていくか、も重要になってきますね。
そして、最後は売上高。これは言わずもがな、ですね。
常に売上を最大限にすべく、日々努力しているかと思います。
上記の計算式から、いろいろなことがわかってきます。
会社が赤字にならないための最低限の売上高、すなわち損益分岐点売上高は、いくらか?
この計算式は、わかりますか?
会社が赤字にならないためには、固定費と粗利益がイコールになればいいのです。
粗利益-固定費=0 であればいいのですから。
そのための売上高は、固定費÷粗利益率ですね。
固定費が500で、粗利益率が50%であれば、
500÷50%=1,000 が、赤字にならない最低限の売上高となります。わかりますよね?
さらに、上記の会社が利益を300出したければ、売上はいくら上げればよいか?
それは、固定費に利益を足した額を、粗利益率で割ればいいですね?
(固定費+希望利益)÷粗利益率 = 目標売上高
(500+300)÷50%=1,600
検算:売上高1,600×50%=粗利益800
粗利益800-固定費500=利益300
ということになります。
このように、上記の計算式を使って、利益計算のシミュレーションをすることができます。
是非、この3つの要素を駆使して、目標とする利益を出せる会社を作っていってください。
編集後記
3連休皆様いかがでしたか?
私は1日は、ある会の3年ぶりの大会があり、盛り上がりましたね。いろいろな飛び入り芸があり、皆様の芸達者に
圧倒されました。1日はそんな楽しい日でしたが、あとの2日は自宅にこもり切り。とにかく、毎月書かなければいけない原稿を、全部書き切った、というところですね。
日曜日の夜は疲れ切りましたが、やり切ったあとのお酒はとっても美味しいものですね!
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