実践!社長の財務
新事業承継税制を検討しよう【実践!社長の財務】第740号
2018.01.08
皆様、おはようございます。
税理士の北岡修一です。
仕事初めと思ったとたん3連休。実質的には明日から本来の仕事初めという方も多いでしょう。
この3連休、正月休みとはまた違った、明日から全開で仕事をするための時間に使えるといいですね。
是非、最後の1日、充実させていきましょう!
本日も「実践!社長の財務」よろしくお願いいたします。
新事業承継税制を検討しよう
平成30年度の税制改正では、何と言っても事業承継税制の大幅な緩和が注目です。
平成30年4月から5年以内に、事業承継計画を作成・提出し、10年以内に実際に事業承継を行う方が、新たな事業承継税制の対象となります。
5年内に計画し、集中期間10年を設けたことにより、多くの企業がこの期間に事業承継を進めていこうと、考えるのではないでしょうか?
というのも、事業承継により後継者へ株式を移す場合の贈与税や相続税が、大幅に優遇されるからです。
今までの事業承継税制は、対象株式の2/3まで、相続税の納税猶予はその内の80%まで、となっていました。
したがって、掛け合わせれば、実際には50%強しか、納税猶予がされなかったのです。
それが新たな事業承継税制では、全株式を対象として、贈与税および相続税を、全額納税猶予する、ということになります。
まさに、期間限定の大盤振る舞いですね(笑)。
また、今までの事業承継税制は承継後に、5年間雇用を80%維持しなければならなかったのです。
すなわち、2割超従業員数が減ってしまうと、猶予されていた贈与税や相続税を、一気に納付しなければいけない、ということになっていました。
昨今の人材採用が難しい状況や、事業構造の変化で従業員数が減る可能性がある会社は、怖くて事業承継税制をとても採用できる状況ではありませんでした。
それが、新たな事業承継税制では、雇用維持要件を下回ったとしても、すぐに納税猶予を打ち切ることはせず、その理由などを記載して、提出すれば納税猶予を継続することができるようになります。
これにより、事業承継税制を採用する際の不安要因が、かなり除かれることになりますね。
その他にも、先代経営者以外からの株式の贈与も納税猶予の対象になったり、3人までの後継者を対象とすることができたり、使い勝手を良くする改正がされています。
事業承継が課題の会社は、是非、新事業承継税制を検討してみる価値がありますね。
なお、新事業承継税制は、これから5年間の内に事業承継計画を作成して、都道府県に提出しなければなりません。
この計画は、認定支援機関の指導・助言を得て作成することが条件になっています。
この認定支援機関、最も身近なところでは、会計事務所が取っていることも多いです。
もちろん弊社でも取っていますので、新事業承継税制を検討してみようという会社、詳しく話を聞きたいという会社の方などは、是非、お問合せいただければと思います。
せっかくの大盤振る舞い税制ですので、活用できる会社は是非活用していきましょう!
編集後記
この3連休、考えてみるといろいろな原稿を書く必要があり、何とか1個ずつこなしています。この3連休があったおかげで非常に助かりますね(笑)。
正月にやればいいのでしょうが、さすがにおとそ気分では、原稿を書く気にならず、密かにこの連休を期待していた、というところですね。
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