東京メトロポリタン税理士法人

お問い合わせ

〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-24-1 西新宿三井ビルディング17F

  1. HOME
  2. メールマガジン
  3. 不動産 税金相談室
  4. 借地と底地の譲渡【不動産・税金相談室】

不動産 税金相談室

借地と底地の譲渡【不動産・税金相談室】

借地と底地の譲渡【不動産・税金相談室】

2021.02.05

Q この度、自宅を売却することとなりましたが、この物件は30年ほど前に、父が借地に自宅を建築したものであり、その後、父の相続によって私が借地権と建物を取得しています。

今から3年前には、地主の相続に伴い、私が底地部分を3千万円で購入して現在に至りますが、自宅売却にあたり、借地権や底地の譲渡所得をどのように計算すれば良いのでしょうか。

なお、借地権の価額は不明です。

A 土地を借りている場合、「借地権」という借主の権利と、土地から借地権を除いた所有者の権利(所有権)である「底地」に分かれます。

ご質問のように、借地権を持っている方が、その後に底地を取得した場合には、譲渡所得の計算上、借地権部分と底地部分を分けて計算することとなりますので注意が必要です。

この場合、土地の収入金額を次のとおり借地権部分と底地部分とに按分して計算することとされています。

(1)借地権部分・・・収入金額×借地権の時価/土地の時価

(2)底地部分・・・ 収入金額-(1)の金額

また、取得費については、底地部分の購入金額(3千万円)が判明しているものの、借地権はその金額が不明、とのことですから、上記により計算した借地権部分の収入金額の「5%相当額」を取得費とします。

ご注意いただきたいのは、借地権部分は所有期間5年超のため、長期譲渡になりますが、底地部分は所有期間5年以内となるため、短期譲渡となることです。

長期譲渡は、税率が 20.315%(所得税 15.315%、住民税 5%)ですが、短期譲渡は、税率が 39.630%(所得税 30.630%、住民税 9%)となり、

税額に大きく影響してきますので、収入金額の按分に気をつけてください。

なお、上記の計算では建物について考慮しておりませんが、居住用の建物と一緒に、土地を譲渡するなど一定の要件を満たす場合には、 3,000万円特別控除や、軽減税率などの特例を受けることができます。

ただし軽減税率は所有期間10年超でなければ特例を受けることができないため、ご質問の底地部分(3年前に取得)には適用することができません。

かなり複雑になりますので、専門家にご相談されるか、申告を依頼した方が良いかと思われます。

《担当:樋口》

メルマガ【実践!相続税対策】登録はコチラ
https://www.mag2.com/m/0001306693.html

相続のご相談はお問合せフォームへ

東京メトロポリタン相続クラブ

<< 不動産 税金相談室 記事一覧