実践!事業承継・自社株対策
先代経営者以外からも承継できるか【実践!事業承継・自社株対策】第37号
2021.02.18
Q:当社の株式は、社長である父の他、母や伯母なども保有しています。父からは事業承継税制で譲り受けることになっていますが、母や伯母の持つ株式も譲り受ける場合、税金はどうなるのでしょうか?
A:社長であるお父様から、特例事業承継税制により、贈与を受ける場合には、他の株主からも、特例事業承継税制を使って、贈与を受けることができます。
したがって、お母様や伯母様から受ける株式の贈与も、贈与税の納税猶予の適用を受けることが可能になってきます。
そのためには、まずは、お父様からの特例事業承継税制による株式の贈与を、要件を満たすようにしっかりと行う必要があります。
これを第一種特例贈与といいます。お母様や伯母様が行う贈与は、第二種特例贈与といいます。
気を付けなければいけないのは、お母様や伯母様の贈与は、先代経営者であるお父様の贈与の後に行わなければならない、ということです。
同日でも構いませんが、お父様からの贈与が先に行われている必要がある、ということです。
また、第二種特例贈与ができる期間には制限がありますので、注意が必要です。
それは、先代経営者からの贈与の申告期限(翌年3月15日)の翌日から5年を経過する日の、前年末まで、ということになります。
ちょっとわかりづらいですが、先代経営者が贈与してから約5年の間、ということです。
第二種特例贈与を行うのであれば、できるだけ早い時期に行っておいた方が良いかと思います。
なお、先代経営者以外の方が、その期間(若干異なりますが)内に亡くなった場合は、相続により特例事業承継税制を受けることも可能です。
以上、事業承継税制においては、先代経営者のみならず、他の株主の状況も考慮して、承継計画を考えていくことが大事ですね。
編集後記
やはりある程度、株式の評価が高い場合などは、この特例事業承継税制を使うのは、非常に効果的だなと思います。評価が高過ぎると他の方法ではなかなか、ここまで税金を減らす(猶予してもらう)ことは難しくなってきますね。
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