不動産 税金相談室
新型コロナウイルス感染症と住宅取得資金贈与【不動産・税金相談室】
2021.03.12
Q 昨年、父から住宅取得資金の贈与を受けて住宅を建築中ですが、新型コロナウイルス感染症の影響により、贈与の要件である本年3月15日までに新築することができません。
この場合、住宅取得資金贈与の特例を受けることは可能でしょうか。
A 住宅取得資金贈与の特例を受けるには、贈与を受けた年の翌年3月15日までに、住宅の新築・取得をしなければなりません(取得期限)。
ここでいう新築には、いわゆる棟上げまで工事が完了している状態を含みますから、完成・引渡しを受けていなくとも、棟上げまでしていれば取得期限を満たすものとされます。
また、ご質問のように住宅取得資金の贈与を受けた方が新型コロナウイルス感染症の影響といった、やむを得ない事情で取得期限に間に合わない場合、その期限が1年間延長されることとなります。
国税庁のFAQでは「緊急事態宣言などによる感染拡大防止の取組に伴う工期の見直し」や、「資機材等の調達が困難なことや感染者の発生などにより、工事が施工できず工期が延長される場合」などについても、やむを得ない事情に該当するものとして例示されています。
ご質問のケースが、これらやむを得ない事情に当てはまるものであれば、取得期限を過ぎてしまったとしても住宅取得資金贈与の特例が認められるでしょう。
本年の贈与税の申告・納付期限は、所得税や消費税(個人事業者)と同じく4月15日まで延長されております。
申告手続きをお忘れないようご注意ください。
なお、住宅取得資金贈与の特例は贈与を受けた年の翌年12月末まで居住していなければなりません(居住期限)ので、次のようなケースも考えられます。
既に、一昨年(令和元年)に住宅取得資金贈与の特例を受けている方が新型コロナウイルス感染症の影響により昨年末(令和2年)までに居住できない場合です。
この場合も、上記と同様にやむを得ない事情に該当するのであれば、居住期限が1年間延長されますからご安心ください。
《担当:樋口》
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