実践!社長の財務
B/S経営を目指す【実践!社長の財務】第909号
2021.04.05
会社を少しずつでも成長させ、安定した経営ができるようにするためには、B/S経営を意識していくことが大事です。
B/S経営とは、会社の純資産をいかに増やしていくか、総資産に占める割合(自己資本比率)をいかに高めていくかを、常に意識する経営です。
P/Lで利益を上げ純資産を増やすと共に、B/S上の資産負債を常に見直し、筋肉質な体形を目指していきます。
経営者としては、理解しやすいP/L(損益計算書)に、どうしても目が行きがちです。
それも当然、重要ではありますが、P/Lは単年度の業績を表すのみです。
P/Lの数字だけ良くしても、果たして翌年度以降も実績をあげていくことができるのか、多少業績が落ちても経営を継続していける財務基盤はできているのか、なども重要になってきます。
それを意識して経営するのが、B/S経営です。
そのためには、貸借対照表上の数値を良くしていくことだけでは足りません。
会社の中にストックを作っていくことが必要です。
すなわち、単発で終わる仕事ではなく、継続して利益を産み出していく元になるものを、会社の中に蓄積していくことです。
自社にとって、それは何なのかを是非、自問自答してください。
たとえば、不動産業で言えば「管理顧客」を増やすことであったり、私どものような士業であれば「顧問契約」を増やすことです。
これらのストックを増やすことにより、継続した売上を確保することができ、さらに、そこから派生して別の売上につながっていくことも見込まれます。
管理顧客からは、修繕や建替え、売買の仕事につながったり、オーナーの資産運用や相続対策にもつながるかも知れません。また、新たな顧客の紹介も期待できます。
ストックを増やしていくためには、コストがかかります。販促的な費用もありますし、人材に関する費用もあります。
P/Lの数字を上げることだけに固執していると、そのためのコストを削ってしまうかも知れません。
単年度はそれでよくても、長い目で見ると、会社の成長を阻害しているかも知れません。
是非、長期的な目で、B/S経営を目指して欲しいと思います。
編集後記
4月新年度の始まりですね。期首の方も多いかと思いますが、また、新たな気持ちで目標にチャレンジしていきましょう!
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