実践!相続税対策
貸付事業用宅地の小規模宅地特例の3年しばり【実践!相続税対策】第486号
2021.04.14
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
アパートやマンションの敷地、アスファルト舗装の駐車場の敷地などは、一定要件の元、貸付事業用宅地等として、小規模宅地等の特例を受けることができます。
この特例は、相続税の計算において、通常に評価した宅地の評価額から、200m2まで50%評価減ができる特例です。
(居住用等の小規模宅地特例を使う場合は、面積制限あり)
この特例について、平成30年度の税制改正において、3年しばりが設けられました。
すなわち、相続開始前3年以内に、新たに貸付事業の用に供された宅地は、この特例の適用を受けることができない、という改正です。
相続が起こりそうになって、慌てて節税対策のためだけに、賃貸物件を購入するような行為を防止するためです。
貸付を始めてから3年経たないと、特例の適用を受けられない、ということで「3年しばり」と呼ばれています。
ただし、経過措置として、平成30年3月31日までに、新たに貸付事業の用に供された宅地は、この3年しばりの適用を受けないことになっています。
この経過措置が、平成33年3月31日=令和3年3月31日で、3年を経過しましたので、実質的に終わることになりました。
ということは、本年、令和3年4月1日以降は、亡くなる3年以内に購入した賃貸物件は、小規模宅地特例の対象外、ということに正真正銘なった、ということです。
なお、一点例外があり、亡くなる前3年を超えて継続的に事業的規模で貸付事業を行っていた場合は、この3年しばりの適用は受けません。
事業的規模とは、所得税の青色申告特別控除65万円を適用する場合の5棟10室基準などと、同様の解釈と考えられます。
賃貸物件を購入して、相続税対策をしようとする場合は、是非、この3年しばりにご注意ください。
編集後記
延長されていた確定申告の期限も、いよいよ明日4/15が期限となります。
上記にも書いた青色申告特別控除の65万円控除を使う場合は、期限内申告が要件となっています。
コロナだから大丈夫、ということはありませんので、しっかり期限内に申告するようにしましょう。
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