不動産 税金相談室
土地の譲渡益 1,000万円控除の適用例【不動産・税金相談室】
2021.04.23
Q 平成21年に戸建てのマイホームを購入し、昨年ローンの支払いが終わりました。
このたび親と同居することにしたのですが、現状の家だと狭いことから、新たに戸建住宅を購入することにしました。
見積ってもらったマイホームの売却価額と、平成21年に買った時の金額から償却額を差し引いた金額との差額で 1,000万円くらいの利益が出そうです。
新しく買う住宅は、30年ローンを組もうと思っているのですが、住まいを売った時の 3,000万円控除と、住宅ローン控除は同時に適用できない。
と聞きました。このような場合に、何か良い方法はありますか?
A 確かに 3,000万円控除と住宅ローン控除を、同時に適用することはできません。ただ売却する住宅は、平成21年の取得ということで、特例があります。
それは、平成21年から22年までの間に取得した土地等で、一定の要件に当てはまれば譲渡所得の金額から 1,000万円を控除できる、という特例です。
要件は、次のとおりです。
1.平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に土地等を取得していること。
2.親子や夫婦、生計を一にする親族、内縁関係にある人、同族法人などから取得した土地等ではないこと。
3.売却する年の1月1日現在の所有期間が、5年を超えていること。
4.相続、遺贈、贈与、交換、代物弁済および所有権移転外リース取引により取得した土地等ではないこと。
5.他の譲渡所得の特例を受けていないこと。
この特例の適用を受けるためには、確定申告をすることが要件です。申告の際、申告書に添付する書類は、次のとおりです。
1.登記事項証明書や売買契約書の写し等、譲渡した土地等が平成21年または、平成22年に取得されたものであることを明らかにする書類
2.譲渡所得の内訳書
この 1,000万円控除の特例の利点は、用途を問われないことです。
自宅として使用しても、賃貸していても、未利用でも、この特例を適用することができます。
ご質問のように 3,000万円控除と住宅ローン控除のどちらか一方の特例を選択しなくてはいけない場合、この特例を適用することによって譲渡所得の金額を下げた上で、住宅ローン控除を適用して10年または13年に渡ってローン控除を受けることが可能になってきます。
ただし、建物の譲渡益に対して使うことはできないので注意が必要ですが譲渡益は主に土地から生じるかと思われますので、活用できるのではないでしょうか。ぜひ、ご検討いただければと思います。
《担当:稲吉》
メルマガ【実践!相続税対策】登録はコチラ
⇒ https://www.mag2.com/m/0001306693.html