不動産 税金相談室
自宅を兄弟に譲渡する場合【不動産・税金相談室】
2021.05.28
Q 私は今年、弟に自宅を売却して、妻の実家に転居することにしました。
私と弟には、それぞれ収入も家庭もあり、生計は別です。
この場合、居住用財産を売却した場合の3,000万円特別控除を使うことはできますか?
A それぞれ収入があり、お互いに生計が別ならば、居住用財産を売却した場合の 3,000万円特別控除の適用が可能です。
居住用財産を譲渡した場合の特別控除の規定では、特殊関係者に対する譲渡については適用外とされています。
特殊関係者に対する譲渡とは次のような関係にある方への譲渡を指します。
1.配偶者や直系血族に対する譲渡
2.譲渡人と生計を一にしている者またはその親族へ譲渡で、譲渡する家屋の譲渡後に、譲渡人とその譲渡する家屋に住む場合
3.内縁関係にある者など、譲渡人から受ける金銭で生計を維持している者、および生計がその内縁関係者と同一の者への譲渡
4.上記1から3に掲げる者が経営者である同族会社への譲渡
上記1の直系血族とは、譲渡人の父母または祖父母、もしくは子または孫のことを指します。
上記4に掲げる会社とは、発行済株式等の50%以上を、上記の1から3に掲げる者が保有している会社のことを指します。
特殊関係者等に該当するかどうかの判定は、上記の2を除いて、居住用財産を譲渡した時点で判定します。
ご質問の場合においては、親族ではありますが生計は別であり、譲渡後は、別に住まわれるとのことなので、上記2には該当しません。
当然、1、3、4にも該当しません。
したがって、居住用財産の 3,000万円の特別控除の適用は、問題なく受けることができます。
また、譲渡益が 3,000万円を超える場合であっても、譲渡される年の1月1日現在で、所有期間が10年を超えていれば、居住用財産の軽減税率の適用を受けることもできます。
なお、兄弟間の譲渡になりますので、譲渡代金が周囲の相場と比べて明らかに高い場合、あるいは明らかに安い場合には、贈与税が課税がされる可能性がありますので、ご注意ください。
このような場合には、不動産業者などの第三者を交え、周囲の相場等を検討して、譲渡価格を決めるのが良いでしょう。
《担当:稲吉》
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