実践!相続税対策
遺言書に必ず従わなければいけないか【実践!相続税対策】第496号
2021.06.23
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
最近、依頼されるいくつかの相続税申告では、遺言書があるのに、遺言書どおりに遺産分割をしない相続が多いなと、感じています。
遺言書がある場合には、その遺言書に必ず従わなければいけない、と思っている方も多いと思います。
もちろん、遺言書には法的な効力がありますし、亡くなった方の遺志ですので、これに従って遺産分割を行うことが原則です。
ただ、遺言書どおりに遺産分割をすると、明らかに兄弟間で争いが起きる、争いとまで行かなくても不協和音が起こる、不満が残って兄弟の仲が悪くなることが予想される場合があります。
多くもらう人も、兄弟仲が悪くなってまで、たくさんの財産をもらいたくない、というようなこともあります。
このような場合は、相続人および遺言書で財産をもらうことになっている人全員が同意をすれば、遺言書によらず、遺産分割協議によって、遺産を分割することができます。
ただし、1人でも反対した場合には、このような方法を取ることはできません。
翻って、遺言を書く立場からすると、このようなことにならないように、遺言を書きたいものです。
単純に長男だから、先祖からの財産を守るよう多く相続させる、というのは今の時代、通らないことも多いですね。
いろいろ関わる相続を見ていると、兄弟平等に分けるべきだ、という考えを持った方が多いように思います。
自分の死後、親族皆が仲良くやっていくためには、どのようにしたらよいか、子の性格や状況なども考えながら、争いのないようにしたいものですね。
もし、片寄りが出るような場合は、遺言書の最後の付言事項に、どうしてそのような分け方をするのか、その理由をしっかり書いていただくよう、お勧めします。
編集後記
もめる相続、多いですね。とても仲がいい兄弟と思っていたのにもめてしまったり、ビジネスの世界ではそんなこと言わない人なのに、兄弟間になると子供みたいなことを言ってしまったり、相続というものはやはり特別なものなのかなあ、と思いますね...。
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