実践!相続税対策
今年の路線価発表される【実践!相続税対策】第498号
2021.07.07
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
7月1日、2021年の路線価が発表されました。
路線価は、2021年に発生した相続や贈与などによる、相続税や贈与税の計算に使われるものです。
その他にも、株価の計算や相続税対策、土地の売買価格の参考などにも使われます。
路線価は、国税庁のホームページで簡単に確認することができますので、検索してみてください。
→ https://www.rosenka.nta.go.jp/
上記サイトの日本地図から入っていって、住所を辿っていけば、自分の土地の前の道路の路線価が出てきます。
路線価は、m2あたりで、かつ、千円単位ですので、ご注意ください。500と書いてあれば、m2あたり500千円=50万円ということですね。
また、路線価の後ろについているアルファベットは、その場所の借地権割合を表しています。
借地権割合は、路線価図の上部に%が出ています。
たとえば、500Cとあれば、Cは70%です。
この場所は、借地権が70%、底地の割合は30%ということになります。
これは、借地権や底地の評価、賃貸アパートなどの敷地=貸家建付地の評価などに使われます。
路線価は、時価に近いと言われる公示価格の80%を目安に付けられています。
したがって、路線価を80%で割り戻せば、おおよその公示価格、時価が推定できます。
たとえば、500千円/m2の路線価であれば、
500千円÷0.8 = 625千円/m2 となります。
この辺りの公示価格・時価は、m2あたり、およそ625千円ということになります。
ただし、地価が上がっているところは、これ以上の価格になっていることが多いですね。あくまで目安です。
また、路線価はその年1月1日時点の価格、ということも注意しておかなければいけません。
路線価の説明になってしまいましたが、今年の路線価は、コロナの影響もあって、全国平均で前年比▲0.5%と、マイナスになってしまいました。
マイナスは6年ぶりです。
コロナの影響で、観光地や繁華街への人出が少なくなったり、インバウンド需要がなくなったりしたことが大きく影響しています。
全国で39府県が下落し、東京や大阪、愛知など13府県がマイナスとなっています。
東京は、▲1.1%のマイナスとなっています。
全国で最も下がったのは、周辺に世界遺産を抱える奈良の大宮通りで▲12.5%です。やはり、観光客やインバウンドの減少が大きいようです。
上昇率が最も高かったのは、仙台・青葉通りで+3.8%とのこと。オフィス街や駅前一等地が、堅調のようです。
全国一番は、36年連続で銀座5丁目「鳩居堂」前ですが、前年比▲7.0%と9年ぶりに下がっています。
それでも、m2あたり4,272万円ですから、すごい価格です。
東京では、48の税務署管内ごとの最高路線価は37地点で下落、7地点で横ばい、3地点で上昇とのことです。
最高路線価が10%以上下落したのは2地点で、浅草の雷門通り▲11.9%、秋葉原の中央通り▲10.5%です。
これらは、最高路線価での部分での比較ですが、23区内の住宅地などをいくつか見てみましたが、ほとんど変わっていないか、少し下落というところが多かったです。
是非、ご自宅前の路線価を、確認してみてください。
編集後記
今日は路線価について書きましたが、上記のように簡単に見れるので、毎年見て、自宅や所有している土地の時価の推移など見ておくと面白いですね。
上記の国税庁のホームページには、過去のものも6年分くらい載っていますので、一気見してもいいですね。
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