実践!相続税対策
上場株式の評価【実践!相続税対策】第547号
2022.06.22
おはようございます。
税理士の牛嶋洋一です。
相続財産の中に、被相続人が購入した上場株式が入っていることがあります。
「貯蓄から投資へ」の流れの中で、株式投資は、今後も増えてくるのではないでしょうか。
今回は、上場株式の評価について見ていきます。
非上場株式の評価に比べると、上場株式の評価はあまり難しくありません。
たとえば、被相続人が上場しているA社株式 6,000株を持っていたとします。
まず、A社について、次の4つの株価を調べます。
(調べた株価を、カッコで書いています)
・相続開始日の終値
(520円)
・相続開始日の月の取引日ごとの終値の平均額
(542円)
・相続開始日の月の前月の取引日ごとの終値の平均額
(485円)
・相続開始日の月の前々月の取引日ごとの終値の平均額
(505円)
A社株式の評価額は、4つの株価のうち一番低い株価(485円)に、保有株数6,000株をかけた291万円となります。
上場株式の評価額は、相続開始日の終値だけでなく、その月を含めて3か月間の株価の平均額も考慮されて、その中で一番低い株価にすることができます。
4つの株価を調べて比較した方が、評価額を低くできる可能性が高いですね。
これらの株価の調べ方は、取引していた証券会社に問い合わせるのが良いかと思いますが、日本取引所グループのホームぺージなどでも調べることもできます。
ところで、相続開始日が土日祝日の場合は、取引日ではないので、相続開始日の終値はどうなるのか?という問題があります。
その場合は、相続開始日に最も近い日の終値となります。
たとえば、相続開始日が土曜日の場合には、金曜日の株価を、日曜日の場合には、月曜日の株価を相続開始日の株価とします。
また、3連休の真ん中の日が相続開始日の場合は、3連休の前後の日の株価の平均額になります。
上場株式をたくさん持っていて、金額も高額になっている方もいらっしゃるかと思います。
いつ相続が発生するかはわかりませんが、一応これだけの期間の平均額から低い価格を取れれば、あまり株価の乱高下を気にしなくても良いかも知れませんね。
《担当:税理士 牛嶋 洋一》
編集後記
円安がなかなか止まりませんね。物価もじわじわと上がってきています。
コロナが明けて海外旅行に出たときに、ずいぶん物の値段が高く感じることになるかもしれません。
日銀は、金利を据え置いているのに、他の国は金利を上げているので円安になるようですね。
日銀が金利を上げる決断をすることが、一つの解決策となるのでしょうが、日本の金利が上がると、そのことによる問題もいろいろ出てくるような気がします。
いずれにしても、円安が早く落ち着いてほしいですね。
メルマガ【実践!相続税対策】登録はコチラ
⇒ https://www.mag2.com/m/0001306693.html