実践!社長の財務
1人あたりの付加価値額【実践!社長の財務】第974号
2022.07.04
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
御社の1人当たりの付加価値額は、いくらですか?と聞いて、すぐ答えられる方は少ないかも知れません。
先週も、給与を上げる話をしましたが、給与はこの付加価値額の中から払うのですから、付加価値額を把握しておく必要があります。
付加価値額というと難しいのですが、粗利益額と置き換えてもいいと思います。
年間の粗利益額を社員数で割れば、1人あたりの付加価値額が出てきます。
ただ、社員数と言っても年間を通じて変動しているでしょうから、毎月の社員数の平均で割った方が良いかと思います。
パートやアルバイトの場合は、社員換算します。
この1人当たり付加価値額から、何%人件費として支払うことができるか。
あるいは、現在は何%払っているのか、まずはそれを計算してみてください。
いわゆる労働分配率ですね。
この比率は、業種や会社によって違ってきます。
その上で、付加価値額と、分配率を把握することで、次のように給与の昇給を考えていくことができます。
当社は、今、分配率○%を払っている。
当社の分配率は、○%を目安としよう。
来期の売上、付加価値額の目標はいくらなので、分配率を○%とすれば、給与総額はいくらで、この位の昇給をすることができる。
先週は給与をまず上げよう、と言いましたが、やみくもに上げては、会社が赤字になってしまうかも知れません。
やはりそこは、しっかり数字を見た上で、達成可能な部分で上げていかないといけないですね。
そのためには、付加価値と分配率をよく見ておくことです。
分配率をいくらにするかは、他の経費や目標とする利益にもよってきます。
付加価値額を、何にどのくらい使っていく、分配していくのか、最終的に利益としていくら残したいのか、それにより、労働分配率も決まってくるということですね。
給与を上げていくには、1人あたりの付加価値額を高めること、分配率を高めること、のいずれか、あるいは両方です。
分配率は想定よりも少し高めに設定し、結果として1人当たりの付加価値額が高まって、分配率は想定どおりに収まる。
というようになるのが、一番いいのでは、と個人的には思っていますが...。
編集後記
先週は猛暑の連続、すごかったですね。外に出ただけで熱風にまいってしまいます。今週は少し落ち着くようで
すね。
今も雨が降っていますが、少しは降ってくれないと、農作物や水不足の心配も出てきますので、今週は雨歓迎、というところですね。
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