不動産 税金相談室
土地の持分のみ取得する場合の住宅資金贈与 【不動産・税金相談室】
2022.08.12
Q 夫婦で、一戸建て住宅の購入を計画しています。
住宅の登記の名義は、建物は夫の単独名義、土地は夫2分の1、妻2分の1の共有名義とすることを考えています。
購入資金の一部は夫婦それぞれの親から援助してもらい、住宅取得資金の贈与の特例を受けようと思っています。
特例の適用上、何か問題はありますか?
A 夫は建物と土地の持分を取得していますので、夫の父母や祖父母から資金援助を受けた場合には、住宅資金贈与の特例を受けることができます。
妻は土地の持分のみの取得ですので、妻の父母や祖父母から資金援助を受けていたとしても、建物の持分を取得していないため、特例の適用を受けることができません。
ご質問の場合、妻は不動産登記から見ると敷地のみの購入となってしまい特例が受けられないことになってしまいます。
妻が特例を受けるためには、登記名義の配分を見直し妻に建物の共有名義の一部を取得させるようにする必要があります。
その際には、夫婦それぞれの住宅の購入資金の額に比率に応じて土地と建物の共有持分を揃えておいた方が良いでしょう。
たとえば、土地は夫10分の7、妻10分の3とし、同様に建物も夫10分の7、妻10分の3のように共有持分を揃えるようにします。
このようにすれば、他の要件を満たすことで、夫・妻それぞれ住宅資金贈与の特例を受けることができます。
なお、妻が建物の持分を取得することにより、住宅資金贈与の特例を受けられるほかに、夫・妻それぞれ住宅ローン控除を受けることもできます。
さらに、住宅を売る場合にも、夫・妻それぞれ居住用財産の3000万円控除を受けることができます。
共有名義の決め方で、税制上の特例が受けられるかどうか違ってきますので不動産登記の際には、十分気を付けてください。
《担当:税理士 牛嶋 洋一》
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