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災害による相続税の減免措置 【不動産・税金相談室】

災害による相続税の減免措置 【不動産・税金相談室】

2022.08.19

Q 先日の豪雨により、相続財産である自宅建物などに被害を受けました。豪雨などの災害を受けた場合、相続税の減免措置はあるのでしょうか。

A 豪雨などの災害により、相続財産の10分の1以上の被害を受けるなど「一定の被害」を受けた方については、相続財産から被害を受けた額を減額して、相続税を計算することができます(災害減免措置)。

一定の被害とは、次のいずれかに該当するものをいいます。

(1) 相続財産のうち、被害を受けた価額が10分の1以上である場合

(2) 相続財産である動産等(金銭等を除く動産、土地等を除く不動産など)のうち、被害を受けた動産等の価額が10分の1以上である場合

この場合、被害を受けた価額等は個々の相続財産ごとに被害の程度(被害割合)を基として計算しますが、保険金等により補てんを受けている場合には、その補てん額を除いて計算します。

ただし、被害額等が明らかでない場合には、所定の「被害割合表」や、所定の計算方法に従って、被害割合を計算しなければなりません。

これら被害割合表や計算の基になる資料については、国税庁のHPで確認することができますが、ご不安があれば税務署や税理士等にご相談いただいた方が良いでしょう。

さて、ご質問のケースでは、被害を受けたのが相続税の申告期限前か期限後か明らかではありませんが、もし申告期限後に被害に遭ったのであれば取り扱いが異なりますので注意が必要です。

減免措置の対象となるのは、被害のあった日以後に納付すべき相続税に限られますから「まだ納付されていない税金」でなければ対象とはならないためです。

申告期限後であれば、通常は相続税の納付も完了していますので、被害を受けた時点で未納付の相続税はありません。

したがって、申告期限後に減免措置の対象となるのは、例えば延納や物納、納税猶予等の制度を利用していることにより「まだ納付されていない税金」がある場合などに限られるでしょう。

また、地震や豪雨などの災害では、申告期限の延長を受けている(または指定されている)ケースも多く、申告期限が通常とは異なる場合がありますから、延長後の申告期限により判断することもご留意ください。

なお、豪雨などの災害による減免措置は、贈与税や所得税についても設けられております。
相続税以外のケースでも、それぞれ税務上の措置をご確認いただきたいと思います。
          

《担当:税理士 樋口 智勇》

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