実践!社長の財務
運転資金と設備資金【実践!社長の財務】第457号
2012.08.06
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
8月も2週目に入り、私どもの業界では税理士試験も終わり、就職活動の時期です。
税理士試験まで、とにかく試験に集中し、それが終わってホッと一息ついたら、今度は就職活動になるのです。
私ども税理士法人や会計事務所も、そこを狙って優秀な人材を採用しようとします。
弊社もネットで採用活動をしています。試験前からいろいろ狙いをつけ、試験前後にラブコール(メール)を送るのです。
今年は、すごく多いような気がしますね。
今週は、面接ラッシュです。
ということで、本日も「実践!社長の財務」いってみましょう!
運転資金と設備資金
事業を立ち上げ、それを成長発展させていくには、どうしてもある程度のお金が、必要になってきます。
運転資金や設備資金がまったくかからないのであれば、それ程多くのお金をかけなくてもできるので、そのような業種の場合は、自己資金でやっていけるでしょう。
ただ、やはり運転資金や設備資金がかかるような業種であると、自己資金だけではまかない切れないことが多いですね。
ちなみに運転資金とは、どういうことかわかりますか?
単なる経営をしていくための資金、運営資金ではありませんよ。
運転資金とは、次の計算式で求められる資金です。
運転資金 = 売掛債権残高+在庫残高-買掛債務残高
売上は、売れてもすぐ現金になるわけではありません。
売掛金や手形として残り、数カ月たってからようやく現金になるのです。
また、日々商売をしていくためには、在庫を持っておく必要があります。そのための資金もいります。
商売をしていくための、これらの必要資金をまかなうために買掛金債務があります。
要は、売上の入金が後になるので、仕入の支払いの方も、できるだけ遅らせるわけです。
手形を切って、数カ月後に払ったりもしますが、これも買掛債務です。
これで、できるだけ資金調達をする(帳尻を合わせる)わけですね。
外注費や経費の締め支払い(未払金)なども、買掛債務と同様です。
それでも足りないお金が、運転資金というわけです。
ですから運転資金と何気なく言っているかも知れませんが、
実は明確に計算できるのです。
通常の商売(経営)をやっていくために、どうしても必要な資金(種銭)なわけですね。
これが足りないから、銀行からお金を借りることになります。
これが運転資金の借入です。
是非、御社の運転資金を計算してみてください。
それ以上に、短期借入金を借りているというのは、運転資金以外のところにお金が回っている、ということになりますね。
あまりいいことではありません。
設備資金の方は、わかりますね。
工場を建てたり、機械や車両を購入したりするための資金です。
いわゆる設備投資のための資金です。
これらは長期かつ多額の投資になりますから、資本金や長期借入金で資金を調達することになります。
この長期の資金調達を、間違っても短期借入金でやってはいけません。
回収に時間がかかる投資ですから、借入金の返済スピードが早いと、間違いなく資金が苦しくなってくるからです。
運転資金は、短期借入金で、
設備資金は、資本金および長期借入金で
まかなっていくのが原則です。
これらを時間をかけてでも、いかに自己資金でやっていくことができるか、それが会社を強くしていく秘訣です。
それについては、次回以降お話していきます。
編集後記
ひと時(と言っても2週間!)の独身生活が終わり、妻と娘がザルツブルグから帰ってきたかと思うと、来週からは北海道です。今度はそっちでもバイオリンのサマースクールがあるようです。
とは言え、今度は置いてかれないように、私も休みを兼ねてくっついて行こうと思いますが...(笑)。
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