不動産 税金相談室
相続により取得した不動産の譲渡所得計算【不動産・税金相談室】
2022.10.07
Q 父の相続により、不動産をいくつか相続しました。
いずれも空室マンションで、売れるときに売りたいと思い少しづつですが、売却手続きを進めています。
一度にまとめて売却した場合、あるいは1年に1室ずつ売却した場合など、売却方法により、税金の計算に影響はありますか。
A 相続した不動産を売却して利益が出る場合には、所得税が発生します。
ただし、相続税の申告期限から3年以内に売却することで、相続税の取得費加算の特例が受けられます。
これは、相続時に相続税を納税していることが条件となりますが、不動産をいくつか相続されていることから相続税の納税があったものと推察します。
通常、不動産の譲渡所得税は、売却価格から取得費や譲渡費用を控除した金額がプラスの場合に発生します。
前述した取得費加算の特例は、この取得費に売却資産に係る相続税を加算することができる特例です。
相続税の一部を、譲渡所得の計算上控除してくれるということになります。
1年に1室ずつ売却した場合などは、相続税の申告期限から3年を経過した後に売却したものは、この特例の適用を受けることができなくなりますのでご注意ください。
また、1度にまとめて売却した場合は、不動産の譲渡損益を通算することができる、というメリットがあります。
不動産の譲渡損失は、他の所得との損益通算はできませんが、同じ年に複数の不動産を売却して、利益が出たものと損失が出たものがある場合は、これらの利益と損失を通算することができます。
そのような節税効果もありますので、損が出そうな物件と、利益が出そうな物件を、同じ年に売却するようにした方が良いかと思われます。
《担当:税理士 宮田 雅世》
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