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小規模宅地等の特例と相続人の居住状況【実践!相続税対策】第566号

小規模宅地等の特例と相続人の居住状況【実践!相続税対策】第566号

2022.11.02

おはようございます。
税理士の青木智美です。

今回は、小規模宅地等について、お客様からよくご質問される『父母との居住』についてお伝えできればと思います。

さて、ご相談受けるケースでは、ご両親のどちらかが先に他界されており、

父ないし母を介護するために、相談者様が同居している場合があります。

そして、このような場合に、居住用の宅地として、小規模宅地等の特例の適用を受けるられるのか、というご質問をいただきます。

まずは、小規模宅地等の特例のおさらいから始めましょう。

国税庁のホームページでは、以下のような記載があります。

『被相続人の居住の用に供されていた宅地等で、被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物に居住していた親族が、相続税の申告期限までその建物に居住かつ所有していること』

この要件を満たせば、土地の評価において330m2まで80%評価減をすることができる、というものです。

わかりづらいため、ざっくりまとめますと、以下のようなイメージでしょうか。

『亡くなった父あるいは母が住んでいた家に一緒に住んでいて、一定期間居住・所有していれば適用が受けられそう。』

さて、そう思いますと、介護のために、現在の自宅から荷物をまとめて引っ越し、親の家に住んでいる場合には、要件を満たしそうです。

しかし、適用を受けるためには、適用を受ける『家』が、適用を受ける人にとって生活の拠点として利用している必要があります。

となりますと、現在の自宅から、介護のためにバック2つ程度で移動してきただけでは、生活の本拠は、両親の家ではなく、まだご自身の自宅にあるように思います。

一方、自宅を引き払い、生活用品をすべて親の家に持ってきて、自分の世代で実家を守っていくような場合には、生活の本拠は、親の自宅に移っているといえることがあるでしょう。

生活の拠点というのは、つかみづらいところもありますが、小規模宅地等の特例が、相続を理由に相続人の住居がなくなってしまうということがないためへの配慮ですので、他に住む場所があるのであれば使えない、というようなイメージで判断いただければ、少しはわかりやすいかもしれません。

いずれにしても、第三者の目から判断が必要な場合には、ぜひご相談ください。

《担当:税理士 青木 智美》

編集後記

ついに11月に入りました。
少し気が早いですが、年末に向け、少しずつではありますが、自宅の大掃除を始めました。

気づかぬうちに汚れていたものも、きれいになるとやはり気持ちのいいものですね。

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