実践!社長の財務
値決めは経営【実践!社長の財務】第997号
2022.12.05
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
前々回も紹介した、稲盛和夫氏の「経営の原点12ヶ条」その第6条に「値決めは経営」というものがあります。
値決めは、会社の経営の在り方を決める、正にトップの仕事であるということです。
各社が扱っている商品やサービスを、いくらで売るかは、この自由競争の時代、各社の自由です。
いくらで売ってもいいのですが、その結果、経営がどうなるかは各社が責任を持つ、すなわち、経営者がすべての責任を持つことになります。
すばらしい商品やサービスを提供しているのに、値段が高過ぎるため、なかなか売れない、利益が上がらないのは経営者の責任です。
逆にすばらしい商品やサービスで、価格も安いためたくさんの人に買ってもらえるのですが、いかんせん安過ぎて利益が出ない、売れば売るほど赤字になるのも、値決めを間違えた経営者の責任です。
値決めによって、経営のやり方はガラッと変わってくるでしょう。
商品のパッケージから、広告の仕方、売る場所、売り方、サービスの内容、販売する人やサポートする人たち、数、目指す品質等、様々なものが値決めによって変わってくるのです。
正に値決めが経営を決めていくのです。
値決めに合った経営の体制、やり方になっているか、それによって、利益が上がるかどうかが、決まってきます。
以前も取り上げた、すばらしい教育をする学習塾で、生徒もたくさん来てくれるのに、赤字であった塾がありました。
これも、値決めと経営の体制が一致していない典型的な例でした。
今一度、自社の値決めと、経営体制、やり方が一致しているのか、是非、見直してみてください。
特に昨今の円安、材料高、人件費の高騰などで、値決めを見直さなければならない会社は、多いのではないでしょうか?
稲盛和夫氏は、次のように言います。
「お客様が納得し、喜んでくれる最大限の値段。それよりも低かったらいくらでも注文は取れるが、それ以上高ければ注文が逃げるという、このギリギリの一点で注文を取るようにしなければならない。」
是非、このギリギリの一点を追求すべく、経営者は真剣に値決めを考えていただきたいと思います。
編集後記
先週は風邪をこじらせ咳が止まらず、声まで変わってしまうような厳しい状況でした。かと言って熱はなくなんだろうと思っていたら、どうも気管支炎だったようです。
今週は大分回復しましたので、忘年会シーズン何とか間に合ったか(笑)、と思います。
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