実践!社長の財務
経営数値を社員にオープンにする【実践!社長の財務】第998号
2022.12.12
おはようございます。
税理士の北岡修一です。
会社の成長発展を目指していくのであれば、経営数値を社員にオープンにしていく必要があります。
どこまでオープンにするかは、社長の考え方によって、違ってくるかとは思います。
ただ、経営幹部やマネージャー以上などには、各人の給与以外はすべてオープンにすべきです。
これから経営を共に担ってもらう人たちですから、数字がわからなければ、共に経営していくことができません。
その上で、どの階層まで、どこまでの数字を出していくのか、これはそれぞれの経営者で考えていただきたいと思います。
稲盛和夫氏の提唱するアメーバ経営では、時間当たりの採算、ということで、各部門別の数字が全社員に公開されています。
各部門(アメーバー)が、時間当たりいくら稼いだか、それがすべて公開されているわけですね。
ただし、そこには人件費は入っていません。人件費控除前の採算がわかれば、いくら以上の利益がなければ、人件費および利益が確保できない、というのはわかるので、それで充分ということです。
少人数のアメーバもありますので、そのような配慮も必要なのかと思います。
ちなみに当社は、全社員に最終利益まで毎月報告しています。
当社は全員正社員ですし、何と言っても全員会計のプロですので、変に一部公開するよりもすべて公開した方がいいと思っています。
数字を見れば、皆当社の現状を正しく理解してくれますし、改善点も考えてくれ、提案もしてくれます。
顧問先にアドバイスする際にも、自社でこのようなことを毎月やっていれば、良い訓練にもなると思っています。
社員に数字を公開するからには、社長もいい加減な処理はできません。自らの公私混同を律するための一助にもなるということです。
また、社員も数字を公開してくれるのは、自分たちが信頼されていることの証にもなりますし、モチベーションもアップするのではないでしょうか?
会社全体が一丸となっていくためにも、数字を公開することは重要なことだと思います。
まだ、公開していない会社、十分に公開していない会社は、是非、これからオープンにしていって欲しいと思います。
公開するためには、しっかりとして月次決算などもやっていく必要があります。精度もあげていかざるを得なくなってきます。
いい意味で会社に負荷を与えることで、会社の成長発展にもつながっていくことになる、と思っています。
編集後記
今年も残り3週間となってきました。ただ、仕事をするのは2週間とちょっとと考えると、今年中にやるべき事、やらなくてはいけないことを、逆算して考えていかないといけない時期かと思います。
是非、やるべきことをやって、スッキリとした正月を迎えたいですね!
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