不動産 税金相談室
マイホーム売却特例か、住宅ローン控除か 【不動産・税金相談室】
2022.12.16
Q 今年、転勤を機に、約7年過ごしたマイホームを売却し、新たな場所に新築物件を購入しました。(借入金 2,500万円で返済期間は25年です)
マイホームの売却益が 500万円くらいありましたが、マイホーム売却特例の3,000万円の特別控除を適用すれば、税金はかからないとの認識でよろしいでしょうか。
また、住宅ローン控除も適用したいのですが、会社員ですので毎年の年末調整で手続きすればよいのでしょうか。
A まず、3,000万円特別控除と住宅ローン控除の併用はできません。
どちらかの選択適用となります。
したがって、3,000万円特別控除と住宅ローン控除のどちらが有利か、計算してみるのがよいでしょう。
3,000万円特別控除を適用した場合は、500万円の譲渡益がゼロとなります。
したがって、譲渡益に係る税金はかかりません。
今回の場合、居住期間が5年を超えるため、税率は所得税15%、住民税5%の、合計20%となります。(復興税を含めると20.315%)
したがって、譲渡益に対する税金は、500万円×20%で100万円となります。
3,000万円特別控除を適用すると、この税金がなくなります。
ただし、こちらを適用した場合は、住宅ローン控除の適用はありません。
一方、住宅ローン控除を適用した場合は、住宅ローンの控除率は、0.7%となります。
年末の住宅ローン残高を2,500万円とした場合、控除額は、2,500万円×0.7%=17万5千円です。
毎年100万円づつの返済で、13年間住宅ローン控除を適用する場合、控除額の総額は、約173万円になります。
以上により、住宅ローン控除を適用した方が、税金面のメリットがあります。
ただし、住宅ローン控除をフル活用するには、それ以上の所得税があることが前提になります。
所得が少なければ、ローン控除額をフルに控除することができません。
また、住宅ローン控除適用期間内に所得が減ると、ローン控除をフル活用できなくなる可能性もあります。
そのようなことも考えて、選択をすることが大事です。
なお、会社員の場合、住宅ローン控除は1年目に確定申告をすれば、2年目以降は、会社の年末調整で行うことができます。
また、3,000万円特別控除や住宅ローン控除を適用するためには、様々な要件がありますので、そちらの確認も必要です。
《担当:税理士 宮田 雅世》
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