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不動産 税金相談室

居住用財産の交換【不動産・税金相談室】

居住用財産の交換【不動産・税金相談室】

2022.12.23

Q 私の自宅近辺にマンション建築の計画があるようで、近所への引越しの提案を受けました。
30年以上この場所に住んでいたことから、お断りしようとも思いましたが、悪くない条件でしたので、思い切って提案を受け入れることにしました。

今の自宅と不動産会社の持っている物件と交換します。
状況は以下のとおりです。この場合、税金はどのようになりますか。

○ 交換時の取得資産と売却資産の価格 8,000万円
○ 自宅の購入費用不明
  

A まず、譲渡所得の計算は、譲渡資産の対価からその資産の取得にかかった費用を控除した額に、税率を乗じることにより計算します。

今回、自宅の譲渡ということから、下記特例の適用の可能性があります。

(1) 居住用財産の譲渡所得の特別控除
譲渡所得から 3,000万円控除できます。
  
(2) 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例
自宅の所有期間が10年を超えている場合、適用税率を 14.21%により計算することできます。

また、(3)『特定の居住用財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例』の規定の適用も、検討可能となります。

(3)の適用要件は、居住期間が10年以上であったり、譲渡対価の額が1億円以下などがあります。

要件をクリアしている場合の譲渡所得の計算は、『譲渡価額-買換資産の取得費』となり、今回の場合は、譲渡価格も買換資産の取得費も8,000万円で同額であることから、譲渡所得が発生せず、税額がかかりません。

上記の特例の注意点としては、(1)と(2)は併用することができることに対して、(1)および(2)と(3)は、併用することができないということです。

また、(3)の場合、新しい不動産を取得していますが、取得費は今回交換で手放したご自宅の取得費を、新しい不動産の取得費として引き継ぐ必要があります。

以上のとおり、ご自宅の売却は生活の根底を支えるものであり、優遇措置が用意されていることから、必然的に検討する事項が増えます。
要件の確認も含めて、慎重に検討が必要です。

《担当:税理士 青木 智美》

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